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眞子さま婚約報道にみる週刊誌のジェンダー格差

小室圭さんを「王子」と煽る女性メディアと、批判的な男性メディア

杉浦由美子 ノンフィクションライター

会見に臨む小室圭さん=2017年5月17日、東京都中央区拡大会見に臨む小室圭さん=2017年5月17日、東京都中央区
 秋篠宮眞子さまが婚約されるという報道が流れ、今週1週間に発売された週刊誌はどこもニュースを大きくとりあげた。

 お相手は大学時代の同級生の小室圭さん。去年、「週刊女性」が電車の中で眞子さまが同世代の男性とデートする姿を報道したがその相手だ。

 他の週刊誌も以前からこのさわやかなカップルについては情報をもち、追っていた。そのため、今まで貯めていた情報を一気に掲載している。

 しかし、女性向け週刊誌と男性向け週刊誌では、まったく異なるスタンスでこの若くさわやかなカップルを取り上げた。

「週刊文春」が好意的なのは女性読者が多いから

  女性週刊誌は「はしゃいでいる」という雰囲気だ。雅子妃に対しては少し皮肉めいたニュアンスの記事もあるが、今回は全面的に祝福モードだ。

  特に「週刊文春」は『眞子さまを射止めた”王子さま伝説”』と見出しをつけた。小室さんが友人とフットサルを楽しむ姿を掲載し、元カノとのエピソードも微笑ましくまとめ、まるで韓流スターの特集記事のような扱いだ。

  今、女性週刊誌の話題の中で、「文春」を紹介したが、この週刊誌はジャンルとしては女性週刊誌ではないが、読者の半数近くは女性である。

  マツコデラックスが「週刊文春や新潮みたいなオヤジ雑誌」としばしば揶揄するが、それは若干事実と異なる。「女向けの文春、男臭い新潮」という棲み分けがある。「週刊文春」は実は日本の女性が最も買っている週刊誌だ。ゆえにベッキーの不倫報道や菊川怜の夫の婚外子報道も、「文春」は容赦なく記事にしていた。優等生女性タレントのスキャンダルとなれば、女性読者は意地悪な気持ちで読みたくなる。

  「女性読者のニーズに応える」という姿勢は他の女性週刊誌も同じであり、そのため、「文春」も女性週刊誌も、眞子さまと小室さんの婚約が予定されていることを祝福する。

  皇室の女性が、通っていた大学で知り合った同級生と結婚する。女性解放という意味でも象徴的な出来事であり、女性読者は心が満たされる。特に週刊誌の女性読者は年齢が高いので、それだけ、女ということで抑圧されてきた経験がある。そういう彼女たちからすると、こんなに幸せな気分になれるニュースはないのだ。

中高年男性読者は皇室の女性の恋愛結婚は許せない

 一方で、男性をターゲットにした週刊誌は違うスタンスだ。「完全恋愛結婚」に批判的だ。

 「週刊新潮」の見出しは『「眞子さま」祝砲の不協和音』、「週刊現代」の見出しは『秋篠宮夫妻が気をもむ眞子さま婚約者のいろんな「事情」』である。両誌とも女性週刊誌は書かなかった小室さんの父親の死因が自殺であることを報じている。

  なぜ「文春」や女性週刊誌は書かなかったかというと、祝福モードの記事にふさわしくないと思ったのと、一般人のプライバシーの詳細を書くのは現在コンプライアンス的に問題があるからだ。

  一方で「週刊新潮」「週刊現代」が小室さんの父親の死因を書いてしまうのは、ターゲットの中高年の男性読者からしたら、皇室の女性が大学の同級生とユニクロを着てデートして、結婚をするというのは、けしからんことなのかもしれない。小室さんの容姿は「古風なイケメン」で、 ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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