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スマホで再現!「蘇る西寺・羅城門」体験

京都・東寺近くの史跡でバーチャルな画面を眺め、1200年前に思いを馳せる

薄雲鈴代 ライター

平安京の羅城門の模型=2016年7月4日、京都市下京区拡大平安京の羅城門の模型=2016年7月4日、京都市下京区
 昨年話題となった「ポケモンGO」ではないけれど、京都にもスマホのアプリを起動させて、いにしえの平安京を史跡踏査するシステムがある。1200年前、平安京の玄関口であった羅城門、その西にあった西寺の史跡現場に立ってスマホ越しに見ると、往時の輝かしい雄姿が現れる。

 京都市南区役所と花園大学が共同研究して「AR羅城門」を配信したのが1年前のこと。そして先ごろ5月15日にバージョンアップされた「AR西寺・羅城門」が配信されたところだ。ちょうどその週末が、東寺の‘弘法さん’(毎月21日の縁日)とあって、けっこうな人混みとなった。

  羅城門址も西寺址も、住宅に囲まれた児童公園になっていて、西寺の礎石と石碑が立つのみ。日頃は近所の方が散歩するぐらいで目立って訪れる人もいないところである。

  そこに観光バスツアーの御一行がやって来て、スマホをかざしてウロウロ歩きまわる。感知できる地点に着くと、いきなり画面にCGの羅城門や西寺が現れ、360度展開するからだ。外観ばかりでなく、軒下の柱から組まれた挿肘木の意匠まで再現されていて、実際に楼閣を訪れたような目線で、天井、柱、壁面と、角度をかえて見ることができる。

  さらに、カメラのアイコンがみえる地点では、記念撮影をすることができる。実景にCGの羅城門が重なり、正当な記念写真はもとより、撮り方によっては、羅城門の大屋根の上に立ったり、楼閣によじ登ったりしているようなトリック写真が撮れる。

自分の歩幅で知る平安京のスケール

  新幹線からの眺めで、ある意味京都を象徴する東寺の五重塔。木造建築では最長といわれる。東寺の伽藍は何度も焼失しているが、その位置は創建当時のまま、微動だにしていない。小説家の司馬遼太郎氏は、「京都に来ればまず東寺」といっていたが、なるほど1200年前に思いを馳せるなら、平安京のランドマークは東寺であろう。

  東寺は、羅城門を挟んで西寺と対をなしていた。唯一現存する東寺を起点に、九条通を西へ800メートルほど歩いてゆけば羅城門址に着く。そこからさらにほぼ同じ距離を西へゆくと西寺址(現・唐橋公園)だ。平安京の二大官寺が、羅城門の左右にあったことが自分の歩幅で測ることができる。

  先のアプリには ・・・続きを読む
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筆者

薄雲鈴代

薄雲鈴代(うすぐも・すずよ) ライター

京都府生まれ。立命館大学在学中から「文珍のアクセス塾」(毎日放送)などに出演、映画雑誌「浪漫工房」のライターとして三船敏郎、勝新太郎、津川雅彦らに取材し執筆。京都在住で日本文化、京の歳時記についての記事多数。京都外国語専門学校で「京都学」を教える。著書に『歩いて検定京都学』『姫君たちの京都案内-『源氏物語』と恋の舞台』『ゆかりの地をたずねて 新撰組 旅のハンドブック』。

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