眞子さまの訪問で示された「友好こそ外交の最も有効な形」
2017年06月13日
6月1日より秋篠宮眞子内親王殿下がブータン王国を正式訪問、7日にはブータンを離れ8日に帰国した。殿下にとっては3回目となる外国訪問だが、前2回にはないほど連日の報道は過熱。ブータン到着直後の空港から、美しい振り袖姿での歓迎式典、招待を受けた花の博覧会参加の模様に、ブータン随一の聖地タクツァン僧院までのトレッキングなど、彼の地での行程を伝える報道への注目度は、殿下のご婚約のニュースが流れた直後ということもあって非常に大きかった。またその一方で、訪問先が「ブータン」であることも報道の熱に少なからず、いや大いに影響していると思う。
ロイヤルファミリー訪問でのフィーバーでは1986年のチャールズ英国皇太子とダイアナ妃以来だったといえるだろう。しかしながら、来日前の知名度からいえば両国は大きく異なる。ではこんなにも盛り上がったのはどうしてだろう。やはりブータン国王夫妻が日本で見せてくれた行動に起因すると思う。
福島で祈りを捧げる姿、現地の子どもたちに「あなたは龍を見たことがありますか?」と語りかける様子、そして国会での演説。世界でいちばん若い国王の日本への親愛の情……。原稿を読むこともなく堂々と日本への敬意を語る姿は、6年が経っても私たち日本人の印象に強く残っている。そんなブータン国王からの招きでの正式訪問が、日本での報道を熱くしたとしても自然ななりゆきだろう。
私事になるが、2006年1月よりブータンへの取材をはじめ、今までに9回彼の地へ赴いており、現国王の戴冠式も現地で取材した。国王夫妻が来日した際には、東京で歓迎レセプションに参加、京都迎賓館では茶会へ招かれ1時間ほど国王夫妻と歓談する機会にも恵まれた。そして『ブータン王室はなぜこんなに愛されるのか』という本を上梓することになるのだが、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください