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過当競争で早くも淘汰が始まった格安スマホ

資金力が豊富な大手キャリア系が大量のCMを投下、生き残りは数社か

石川温 ジャーナリスト

 これまで急成長してきた「格安スマホ」に暗雲が立ちこめてきた。一部の格安スマホ業者が総務省から行政指導を受け始めているのだ。

  ヨドバシカメラなどの家電量販店に出店している「フリーテル」ブランドを手がけるプラスワン・マーケティングに対して、総務省が「行き過ぎた広告表現がある」として行政指導を実施。また、「スマモバ」を展開するスマートモバイルコミュニケーションズにも、解約手続きに関して、全国の消費生活センターに苦情の相談が殺到していることから、改善を求める指導を行っている。

  格安スマホは、大手キャリアに比べて3分の1や半分程度の通信料金でスマホが持てるということから市場が拡大。総務省の調べでは、格安スマホを手がけるMVNO(仮想移動体通信事業者)は、日本国内に600社以上、あると言われている。

ケイ・オプティコムの藤野隆雄社長(中)がタレントの有吉弘行さん、ベッキーさんと格安スマホをアピール=2015年5月26日、東京・表参道拡大ケイ・オプティコムの藤野隆雄社長(中)がタレントの有吉弘行さん、ベッキーさんと格安スマホをアピール=2015年5月26日、東京・表参道
  すでに過当競争を迎えており、格安スマホ事業者の間では「早くも淘汰の時代に入った」(ケイ・オプティコム、橘俊郎取締役)というのが共通認識だ。

  格安スマホ事業者は、NTTドコモやKDDIといった既存の携帯電話事業者から通信回線を借りることでサービスを提供している。

  回線を借りる上での「接続料」は一律で決まっているため、一部の格安スマホ事業者が他社よりも圧倒的に安い料金でサービスを提供するというのが難しい。

  できるだけ、支払うべき接続料を安く抑えつつ、多くのユーザーを詰め込めば、激安料金プランも実現できるのだが、そうすると個々のユーザーに対して安定した通信速度を提供できない。「料金が安くても、速度が遅い」と不満を感じ、ユーザーが逃げ出してしまう。結果、ユーザー数に見合った接続料を追加で支払っていく必要があるため、料金での差別化が難しいのだ。

  格安スマホが注目を浴び、初心者ユーザーも増えつつあるが、そうした人たちが気軽にデビューできるよう、リアル店舗を拡大する事業者が増えてきた。しかし、リアル店舗は人件費や家賃などのコスト負担が大きいため、格安スマホ事業者としても、相当、出店場所を厳選して展開せざるを得ないようだ。

  また、リアル店舗であっても、 ・・・続きを読む
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筆者

石川温

石川温(いしかわ・つつむ) ジャーナリスト

ジャーナリスト。1975年生まれ。中央大学商学部卒業後、98年、日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社。月刊誌『日経TRENDY』の編集記者として通信、自動車、ホテル、ヒット商品などを取材。2003年に独立後、携帯電話、スマートフォン業界を幅広く取材。近著に『スティーブ・ジョブズ 奇跡のスマホ戦略』がある。有料メルマガ『スマホ業界新聞』を配信中。

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