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松居一代がトランプに学んだSNS活用術(下)

論理的でクレバーな投資家はなぜYouTubeを選んだのか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

松居一代さんとの離婚調停で渦中にいる俳優の船越英一郎さん=2005年、東京都内拡大松居一代さんとの離婚調停で渦中にいる俳優の船越英一郎さん=2005年、東京都内
  女優として活躍し、現在は投資家である松居一代(60)が離婚調停中の夫船越英一郎との結婚生活などを赤裸々にツイッターやブログ、YouTubeなどで配信し、話題になったが、なぜ、彼女がSNSを選んだのか。彼女は去年の大統領選でのトランプのSNSの使い方をみて、彼の勝利を確信したという。そのトランプからSNSの利用方法を学んだようである。前回は大統領選でのトランプのSNS戦略について書いた。今回は松居一代がトランプからなにを学んだのかを考えて見たい。

YouTube配信の動画のクオリティの高さ

  松居はトランプの手法をみて、きちんとSNSの利用の仕方を学び、実践した。まず、人々が注目するような「エンターテイメント性」を構築すること、そして、人々が不信感をもつ大手メディアを批判すること。

  今回の松居が配信したYouTubeをみれば、そのクオリティの高さゆえに目が奪われる。話している内容の興味深さもあるが、それ以上に、女優として活躍していた彼女の表現力が素晴らしい。美しい声、完璧な発声で見事な語り口。ついつい引き込まれていく。コンテンツとして魅力的なので再生数は増えていく、結果、ネットニュースサイトやテレビが取り上げるので、さらに注目され、どんどん彼女のメッセージは人々に広まっていく。

  また、松居はテレビが今回の騒動を取り上げないことを批判し、最大手メディアであるテレビとの対立姿勢を示し、それも人々の共感を得ている大きな要素となっている。

  昨今、芸能関係のスキャンダルを週刊誌やスポーツ紙が大きく取り上げても、テレビは報道をしないケースがしばしばあり、それに関して、視聴者が不信感を持っているのだから。松居は周囲のスタッフに手伝ってもらいながら、地道にSNSでメッセージを配信しているが、船越側はそれを力で押し隠そうとしているように視聴者には見えてしまい、反発を招く。

  これもトランプとヒラリーの大統領選と同じ構図だ。ヒラリーは多額の費用を投じ、テレビCMを流しまくったが、結果的に、それも有権者の一部からは「旧態依然としたやり方」として反発を招いたのではないか。一方、トランプはマスメディアとの対立姿勢を示した。アメリカのマスメディアは日本のそれの比ではないぐらい大きく力がある存在だ。

  大統領選をみて、ここまでちゃんと分析し、それを応用し実践できる松居一代という人は実に優秀である。

なぜ不倫はいけないか

  この「週刊新潮」(2017年7月27日号)の独占インタビューを読んでも、松居は感情を訴えるのではなく、ちゃんと、根拠を示し、論理的に物事を説明している。

  自分の頭で物事を分析する力 ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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