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安倍政権に対する忖度の本当の脅威

カウンセリングであった「レイプ疑惑」不起訴に対するストーカー被害者の訴え

和田秀樹 精神科医

萩生田光一・自民党幹事長代行のブログに掲載された写真。(左から)安倍晋三首相、加計孝太郎・加計学園理事長、萩生田氏(当時は総裁特別補佐)。ブログによると河口湖畔で2013年5月撮影拡大萩生田光一・自民党幹事長代行のブログに掲載された写真。(左から)安倍晋三首相、加計孝太郎・加計学園理事長、萩生田氏(当時は総裁特別補佐)。ブログによると河口湖畔で2013年5月撮影
  「やっぱり」とみるべきか、内閣改造後、安倍内閣の支持率が上昇傾向にある。

 様々な疑惑が解明されたわけでもないのに、問題閣僚の顔を挿げ替えたり、人気のある閣僚を呼び込むだけで、人気が回復するという読みはまったく当たったようだ。

 以前、「自分は嘘つきと言われるのが一番いやだ」と言って負けるのがわかっているのに衆議院を解散した総理大臣がいたが、その時点でのアメリカの株高などを考えると、居座っていたほうが、日本の株価は上がっていた可能性が高い。

  その時にいくつかの約束をしてその選挙で圧勝した当時の自民党の総裁は、そのまま首相になり、株価が上がったおかげで、前の政権時代は暗黒時代で、その首相のおかげで景気がよくなったような錯覚(通常、どんな経済政策でも、総理が変わったとたんに株価が上がるなら、経済政策のおかげというより、総理へのご祝儀相場や期待相場も含めて別の要因を考えるべきだろう)が生じた。多くの人が見ている前の約束であったのに、ほとんどまともに守られないまま現在に至っている。

  やめた総理大臣にしても、私にしても庶民出身なので、小さいころから嘘だけはつくなと育てられる。代々、政治家の家に育つと、「いくら適当な嘘や言い逃れをしても、すぐに大衆なんか忘れるんだから平気だ。とにかく、その場を逃げ切ることだ」というようなことを教わってきたように思えるのは私の被害妄想だろうか?

  少なくとも安倍氏は、自分なり妻が森友問題に関与していたら、首相どころか代議士もやめると堂々と国会の場で公言した。そして、多くの国民はそれを忘れているという予想は当たっているようだ。籠池夫妻の逮捕で幕引きになりそうな気配だ。

  さて、森友問題でもその後の加計問題でも、安倍氏の直接の指示や関与はなく、役人のほうが勝手に忖度したという話になりつつある。(その忖度も当初は否定されていたのだが)私自身は、その可能性も否定しない。ただ、その手の勝手な忖度のほうがよほど怖いと思っている。

  首相との距離の近さを誇示すれば、首相筋からの何の圧力はなくても、金集めなり、認可で便宜を図ってもらえるなら、そのような有象無象がいくらでも現れかねない。首相に本当に親しい人なのですかと聞くのも失礼という忖度が働けば、さらにそういう人間たちの思うつぼだし、そもそも権力者に親しいからと言って便宜を図ることは先進国でやるべきことではない。

  自身が手を下さなくても、みんなが勝手に忖度をする環境そのものが危険だし、そういう勝手な忖度はするなと一喝するくらいが政治家のあるべき姿だろう。ところが忖度をしたとされる役人たちは実際に出世している。そのまた上の役人がそのほうが安倍氏が喜ぶと忖度しているからなのだろうか?

  そんなことで不愉快さめやらぬ折、何カ月ぶりかで、あるストーカー事件の被害者が私のカウンセリングの予約を取り、話を聞いてほしいという。

  カウンセリング当日 ・・・続きを読む
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筆者

和田秀樹

和田秀樹(わだ・ひでき) 精神科医

1960年、大阪市生まれ。東大医学部卒。現在、国際医療福祉大教授、和田秀樹こころと体のクリニック院長、川崎幸病院精神科顧問、緑鐵受験指導ゼミナール主宰。専攻分野の老年精神医学、精神分析学のほか、大学受験を中心とした教育制度・政策、自ら監督をつとめたことがある映画についての発言も多い。著書に『感情的にならない本』『学び直しの臨床心理学』など。

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