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強硬にも映る著作権料徴収の根源にあるもの(下)

音楽環境の激変への不安? お金を取れるところから攻めているのか

小野登志郎 ノンフィクションライター

 音楽業界の関係者は言う。

 「JASRAC(日本音楽著作権協会)は時代の変化に適応できていない。今までの、そして今の、これからの音楽環境、外部環境は激変していくのに不安があると思う。元々ソニーなどはJASRACに入っていなくて、それはなぜかというと、端的にいって『強い』から。自社で著作権侵害から著作権者を守る力をもっていますしね。JASRACから脱退したエイベックスとしても、自社のアーティストの音楽配信の自由度を高めたということでしょう。利権化してしまったJASRACの著作権管理にマージンを払うより、自社で管理して新たなビジネスチャンスを狙ったといったところでしょう」

ホテル最上階にあるカラオケルーム。カラオケで歌うと著作権料の支払いが求められる=1994年、東京・新宿ホテル最上階にあるカラオケルーム。カラオケで歌うと著作権料の支払いが求められる=1994年、東京・新宿
  JASRACの使命である著作権者を守り、きちんとその対価を払うことはとても大事なことだ。実際に守られているアーティストにとっては有難い存在だという声も多い。しかし、状況は変化している。

  「楽器を売ってナンボのヤマハが、著作権を侵害して子供たちに楽器を売ることに利用しているのは問題」(別の音楽業界関係者)という声を筆者はいくつか聞いた。まだ表面化していないが、ヤマハとJASRACの利権関係の衝突もあるとも聞く。

  しかし、ヤマハのように根を張った音楽振興活動にストップをかけたり、ネットなどにより、より自由に音楽に親しむ層を敵に回しても、音楽の振興という大きな目的に合致するのか、はなはだ疑問と言わざるを得ない。

  ともかく、こういった音楽業界の変化をもたらした公取委の改善命令の受け入れから、「JASRAC対ヤマハ音楽教室」に代表されるような、演奏権に基づく使用料の徹底的な徴収にJASRACが反発としての動きをとっている。「ある意味、これは『見せしめ』ですよ。過去でいえば、出版業界に対して歌詞の使用に対して強硬に著作権料を支払うよう求めたように。JASRACは分かりやすいところ、お金を取れるところから攻めていく」(前出音楽関係者)

  音楽教室の件では、JASRACは「カラオケ法理」、つまり

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