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6大会連続出場でW杯常連国入りした日本の変容

1998年初出場から20年で日本サッカー界が迎えたのは世代交代ではなく時代の転換

増島みどり スポーツライター

オーストラリア戦後半、井手口はチーム2点目となるゴールを決める=2017年8月31日、埼玉スタジアム2002拡大オーストラリア戦後半、井手口はチーム2点目となるゴールを決める=2017年8月31日、埼玉スタジアム2002
 8月31日、埼玉スタジアムで行われた2018ロシアW杯アジア最終予選は、オーストラリアとの大一番となった。

  勝てば6大会連続出場(02年日韓W杯は開催国枠で出場)をホームで決められる。しかし負ければサウジアラビアとのアウェー戦(9月5日)でさらに事態は混とんとする。ケガ人が多く、欧州はシーズンがスタートしたばかりでコンディションはベストではない。

  オーストラリアにはかつてW杯予選での勝利はなく、今最終予選、十分過ぎるアドバンテージがあったはずのホームで、初戦UAE戦に逆転負けを喫するなど、日本代表はグループ首位に立ちながら、まるで崖っぷちに追い込まれたかの雰囲気を背負っていた。しかしそんな重苦しい空気を払拭したのは、20年前、初めてW杯切符を掴みとったジョホールバルでの死闘など知らない世代、2人の活躍だった。

  前半41分、左の長友佑都(インテル)からのクロスに浅野拓磨(シュツットガルト)が裏を狙い思い切った飛び出しを見せ、そのまま左足で合わせて先制。後半37分には、チーム最年少、21歳の井手口陽介(G大阪)がゴール右上を狙った豪快なシュートで2点目を奪って豪州を突き放した。

  井手口は代表わずか3試合目、浅野もW杯予選を戦うのは今回が初めてと、ハリルホジッチ監督指揮下で代表に選ばれた新戦力だった。

 初出場から6大会連続でのW杯出場は、ブラジル(21回連続)、イングランド(6回連続)と、W杯常連国の仲間入りを果たす数字だ。

  118分の死闘を制し、文字通り泥だらけで勝利したジョホールバルの歓喜から20年、5回目の最終予選突破をピッチで喜ぶ代表の姿には、これまでとは違う落ち着きや余裕が漂っていた。

  「ここにいる誰一人、本大会に出場できる保障のある者はいません」

  突破したばかりだというのに、長谷部誠主将が ・・・続きを読む
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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

スポーツライター。1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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