メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

北九州&アジア全国洋舞コンクールの多様性(下)

大人になってからバレエを始めた人も舞台に立つ

菘あつこ フリージャーナリスト

バレエ部門第1位の名村空さんの「ジゼルのヴァリエーション」=2017年8月20日、北九州市、撮影・古都栄二(テス大阪)
拡大バレエ部門第1位の名村空さんの「ジゼルのヴァリエーション」=2017年8月20日、北九州市、撮影・古都栄二(テス大阪)
  ところで、一方、最近、従来の常識にとらわれない様々な形のコンクールが出てきているということについては、それはありなのかと戸惑うこともある。例えば、女性(女の子)のクラシック・バレエ部門で言えば、以前は、クラシック・バレエのソロ(1人の)ヴァリエーション1曲を、爪先立ちをともなうトゥシューズで踊り切ることが出来て初めて参加する、というのが当然のことだった。

  それには、バレエを習い始めてから最低数年……。例えば、3歳で習い始めてもトゥシューズが履けるのは、ある程度身体が出来た小学校に入ってから、小学生になってから習い始めたとしたら、脚の訓練がある程度できた数年後にトゥシューズでの練習に入る。バレエ教師は、一人一人の脚の訓練の出来具合いを見てトゥシューズでの練習を許可するのだ。そして、それからソロのヴァリエーションを踊り切るには、さらなる練習が必要になる。

  20年くらい前までは、コンクールでクラシック・バレエ部門に出場するということは、最低限、それをクリアしたということだった。それだけでなく、プロとしての見込みのある生徒しかコンクールには出さないと決めている教師も多かった。

 だが、今、状況はだいぶ変わってきた。トゥシューズではなく、バレエシューズ(基本練習に使う柔らかいシューズで)で出場できる部門を設けるコンクールが増えて来た。昔は何年も掛けて努力して、コンクールに出るという憧れにたどり着く……だったが、今は、それほど待てないということなのか?  また、プロになるわけではない大人になって始めた人のためのコンクールも出来ている。

 それは、先ほどの“オールド”部門に通じるところもあり、それ自体は良いことかと思うが、その中には1曲踊らなくても舞台出演を体験できる“ランウェイ”部門などまで現れているようだ。こちらは初めて聞いた時には「そんなのアリ?」と一瞬思った。

  けれど、子どもの頃に ・・・続きを読む
(残り:約503文字/本文:約1389文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
デモクラシーやJournalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

菘あつこの新着記事

もっと見る