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ルール改正で大技重視の男子シングルは変わるのか

加速した「4回転バトル」が緩和される可能性

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

表彰台で笑顔を見せる(左から)2位の宇野昌磨、優勝の羽生結弦、3位の金博洋2017拡大2017年世界選手権(フィンランド・ヘルシンキ)の表彰台で。(左から)2位の宇野昌磨、優勝の羽生結弦、3位のボーヤン・ジン(金博洋)。ルール改正は男子シングルの勢力図にどんな影響を与えるのか
 いよいよ世界各国でフィギュアスケートの国際大会が開催されはじめ、五輪シーズンのGP(グランプリ)シリーズ開幕もあと1カ月ほどとなった。

 そんな中で、ISU(国際スケート連盟)が将来的に大きなルール改正を行う方向で動いていることを、長年フィギュアスケートを取材してきたスポーツコラムニスト、フィル・ハーシュがアメリカのスポーツニュースウェブサイトで明らかにした。

 アイスネットワークに掲載されたそれによると、ハーシュ氏の情報源はISUのシングル&ペア・スケート委員長を務める、イタリア出身のファビオ・ビアンシェッティであるという。

可決された時間短縮、男子のジャンプ数の削減

 昨年2016年6月にクロアチアのドブロブニクで開催されたISU総会で、すでにかなりの大きなルール改正が可決されている。

 その一つであるジャッジの匿名性の撤去などは、すでに昨シーズン(2016/2017)から実行されている。現在は採点電光パネルにこそ個人名は出ないものの、大会のウェブサイトで詳細を見ると、どのジャッジがどの点を出したのか、すぐにわかるようになっている。

 平昌五輪終了後の2018/2019年シーズンから施行される改正も多くある。

 その中で最も大きなものは、ペアと男子シングルのフリーの時間が30秒短縮され、4分になること。そして現在フリーでは最大限8回の男子のジャンプエレメントを1回減らすことである。

 ここ数年で急激に加速した4回転バトルなども考慮し、選手の身体への負担をいくらかでも緩和しようという苦肉の策に違いない。これが実行されることにより、おそらく今季までの男子の歴代最高スコアは、少なくとも当分の間更新されることはなくなるだろう。

プログラム時間短縮に懸念の声も

 だが30秒の短縮に対し、減らされるエレメントがジャンプ一つというのは少なすぎるのではという声も、関係者から聞こえてくる。 ・・・続きを読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書に、『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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