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公示後に内閣支持率下がっても自民堅調という謎

過去、支持率上昇で衆院解散に踏み切っても議席増とは限らなかったが……

川本裕司 朝日新聞社会部記者

記者会見で、臨時国会冒頭での衆院解散を表明する安倍晋三首相=2017年9月25日、首相官邸拡大記者会見で、臨時国会冒頭での衆院解散を表明する安倍晋三首相=2017年9月25日、首相官邸
 世論調査による内閣支持率を受けて、衆院の解散に踏み切った安倍晋三首相の思惑通りの選挙結果となるかどうか。解散の前後に希望の党と立憲民主党が相次いで結成され、支持率も目まぐるしく動いている。解散直前の内閣支持率アップが議席増を必ずしも約束しない、といわれる。一方、10月10日に公示されたあとのマスコミ各社の世論調査では支持率が落ちているのに、野党の分裂もあって自民党は堅調で優位にあるとの情勢が報じられている。世論調査に詳しい研究者らは今回の総選挙を注視している。

  「調査と予測は分けて考えている」「選挙情勢調査は(予測を)当てなきゃ意味がない」「変動を伝えることに最大の意味がある」

  都内で9月22日に開かれた第7回世論・選挙調査研究大会(主催・埼玉大社会調査研究センター)に参加したマスコミの担当者は、パネルディスカッションで総選挙を意識して持論を戦わせた。

  首相の解散の意向が報道されたとき、直近3回の世論調査(朝日新聞社)の内閣支持率の動向について、今回を含め過去10回について調べた。

  調査手法などが異なり単純な比較はできないが、支持率が連続して上がっていたのは4回。今回の安倍晋三首相(33%→35%→38%)と小泉純一郎氏(2003年、42%→49%→59%)、橋本龍太郎氏(96年、44%→47%→48%)、宮沢喜一氏(93年、20%→24%→26%)だ。選挙前後の自民党の議席数では、橋本氏が28議席、宮沢氏が1議席増やしたが、小泉氏は10議席減らした。

  逆に、支持率が下降ぎみだった野田佳彦氏(12年、23%→18%→18%)と麻生太郎氏(09年、26%→27%→19%)の場合、与党が大敗している。

  9月3日にあった北朝鮮による6回目の核実験と解散の関わりを指摘する見方もある。6回のうち4回は第2次安倍政権時代に実施され、核実験後の世論調査で内閣支持率が3~8ポイント上昇した。ただ、解散表明後の9月26、27日の世論調査では、支持率が前回の38%から36%になった。

  前田幸男・東大教授(政治学)は「北朝鮮についての報道が増えるとともに、支持率急落の原因となった加計学園問題のニュースがかき消され、安倍首相のマイナス情報が減った結果、7月を底に支持率が回復した。乱暴な言い方をすれば、世の中の関心は報道されることに集中する。 ・・・続きを読む
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筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員。10年、論説委員兼務。17年4月から東京社会部。著書に『ニューメディア「誤算」の構造』。共著に『テレビジャーナリズムの現在』『被告席のメディア』『新聞をひらく』。

 

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