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豊田真由子氏と山尾志桜里氏に差が出た本当の理由

東大法学部の同級生同士、学生時代のカーストはそのままか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

衆院選埼玉4区で落選が決まり、事務所に現れた豊田真由子氏=2017年10月22日、埼玉県新座市拡大衆院選埼玉4区で落選が決まり、事務所に現れた豊田真由子氏=2017年10月22日、埼玉県新座市
 第48回衆議院議員選挙が22日に投開票された。内容や結果の良し悪しは別として、目が離せない選挙であった。特に私が注目したのは、騒動を起こした前衆院議員2人の女性候補だった。豊田真由子氏と山尾志桜里氏は、共に無所属で立候補し、豊田氏は落選、山尾氏は当選して明暗を分けた。

  この2人は東大法学部時代に同級生であり、当時は交流もあったそうだ。今回の選挙でこの2人に違う結果が出たことの理由を根本的なところから見ていきたい。

アニーは勝利をお膳立てしてもらえた

  さて、なぜ、山尾氏は今回の衆院選で勝ったか。いうまでもなく、彼女の選挙区、愛知7区に野党が対立候補を出さなかったからだ。山尾氏と自民党候補者の一騎打ちとなり、そのため、アンチ自民の票が割れず、山尾氏に集中し彼女は当選した。

  ようは、野党が一丸となって山尾氏の再選をお膳立てしたのである。なぜ、そこまで厚遇されるかといえば、理由の一つとして山尾氏の「女性政治家」としての商品価値の高さがあるだろう。実に希有な人材である。

  普通、エリートで美貌という人種はひっそりと行動をする。女性は目立てば叩かれる。特に美人で秀才だと幼い頃から注目され、嫌な思いもしてきたから、国会議員などにはまずなりたがらない。実際、取材で会うエリート美女たちとの雑談の中でしばしば「選挙に出ろと言われて困っている」とため息交じりの愚痴を聞かされる。

  山尾氏は東大法学部出身の検察官という肩書と、ミュージカル『アニー』で主演をつとめたような芸能人クラスの美貌を持つ。さらに社交力やプレゼン能力にも長けている。不倫報道の後もメディアで擁護の声が多かったのは、彼女は宴席に通い、浴びるほど酒を飲んでは人脈を広げていたからだ。今どき“飲みニケーション”が重要なわけで、政治やメディアを囲む古い体質も見えてくる。山尾氏が守ってもらえるのは、山尾氏の「女性政治家」(政治家としてではなく、あくまでも女性政治家)としての価値の高さが第一点。

  もう一つの理由は彼女が不倫報道を一貫して否定しているからだ。山尾氏は民進党幹事長に内定していたが、9月14日号の「週刊文春」で9歳年下の弁護士との不倫を報じる記事が掲載され、幹事長どころか離党する羽目になった。報道後、本人は「男女の関係はありません」と不倫を否定した。これに対して「週刊文春」は山尾氏が男性弁護士と泊まったホテルの部屋を取り上げ、仕事の打ち合わせをする空間ではなく、どう考えてもデートをする場所だと報じたが、決定的な証拠は出てこなかった。

  週刊誌関係者がいう。

  「家族からのリークはなかったから、確証は出てこないのでしょう」

  また、山尾氏を検察官時代から知る人物 ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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