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小池劇場はまだ終わらない(上)

有権者の多くはテレビも新聞もちゃんと見ないという事実

杉浦由美子 ノンフィクションライター

衆院選の出口調査の結果を受け、会見する希望の党の小池百合子代表=2017年10月22日、パリ拡大衆院選の出口調査の結果を受け、会見する希望の党の小池百合子代表=2017年10月22日、パリ
 衆議院選挙は結果的に希望の党は惨敗、10月22日にパリで行われた会見で小池百合子代表も「完敗」「私自身も、おごりがあったと反省したい」と述べている。

  しかし、一晩経てば、百合子節は戻っていた。

 23日、小池代表はキャロライン・ケネディ前駐日米大使との対談の場で、今回の選挙での敗北について「都知事に当選してガラスの天井を一つ破った。都議選でもパーフェクトな戦いをしてガラスの天井を破ったかなと思ったけど、今回の総選挙で鉄の天井があるということを改めて知った」と発言した。

  「ガラスの天井」とはなにか。組織における昇進で、女性には見えない天井があり、それが女性の社会進出を妨げているというものだ。小池代表はガラスの天井は打ち破っても、その上にはもっと強い鉄の天井があって、女性の社会進出を妨げているといいたいようだ。

  ようは、小池代表は今回の総選挙で負けたことを、ジェンダーの問題に置き換えている。『希望の党』が今回負けたのは、代表であった小池百合子が女性だったからではない。むろん、小池代表自身もそれは分かっているはずだ。

ヒラリーは白人女性から嫌われた

  「ガラスの天井」という言葉は最近あまり耳にしない。最後に聞いたのは、前回のアメリカ、大統領選でヒラリー・クリントンが落選した時ではないだろうか。しかし、これも女性候補だから負けたのではなく、ヒラリーが醸し出す“鼻持ちならなさ”が原因だったのではないか。大統領選予備選挙の段階から、ヒラリーは女性からの支持率が高くないことが懸念されていた。特に若い女性層からの支持は低かった。

  大統領夫人だったことを武器に知名度を上げ、キャリアを積んできた人だ。ヒラリーは「女性初の大統領を誕生させることが、女性全体のためになる」と訴えてきた。あのメッセージを意味不明と感じている女性有権者も多かったのではないか。

  一部のエスタブリッシュメントの女性が ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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