メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

なぜ小泉進次郎はここまで人気があるのか(中)

女帝、小泉信子はなぜ「田中真紀子を更迭するな」といったのか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

  男性政治家がアイドル的に女性から支持されることは昔からあったと思う。私の記憶で一番古いのは元総理大臣の橋本龍太郎だった。「龍様」と呼ばれ、まるで俳優のような扱いだった。その「龍様」をしのぐ、人気を得たのは同じく元総理大臣の小泉純一郎ではないだろうか。

父親譲りのアイドル性

  ベートーベンのような髪型は変人っぽいキュートさを表現し、女性から見るとあれは萌えポイントだったろう。あの髪型は、姉で秘書だった小泉信子のアイディアだったという。

 信子は小泉家の三女で、清泉女学院高等学校卒業後、父親であり、防衛庁長官を務めた小泉純也の秘書となる。純也が亡くなると、周囲は信子に跡を継ぐべく、衆議院選挙に立候補をしろと勧めた。女性初の大臣秘書官として活躍した彼女は、政治のキャリアも十分だからだ。

小泉純一郎首相の街頭演説に聴き入る人たち=2005年8月30日、相模原市拡大小泉純一郎首相の街頭演説に聴き入る人たち=2005年8月30日、相模原市
 しかし、信子は固辞し、就職もせずロンドンに留学していた弟の純一郎を呼び戻し、立候補させた。個性的で容姿がいい弟、純一郎は政治家としての伸びしろがあると考えたのだろうか。

  この信子は、女帝と呼ばれ、海外メディアでもその存在感を報じられたことがある。表には出てこないが、政界に強い影響力を持っていたとされる。

  その彼女が作り上げた政治家が、小泉純一郎であり、その息子の小泉進次郎といえよう。二人ともプレゼン能力に長け、サービス精神あふれる振る舞いで、女性有権者たちから愛される。一方で、純一郎氏は人の話をちゃんと聞かず、勉強会でも不熱心だったという説もある。

  『無情の宰相 小泉純一郎』(松田賢弥・講談社)の中に、小泉政権の閣僚経験者が聞いた純一郎のつぶやきが書かれている。

  「人の話を真面目に聞いたり、勉強したりすると自分のメッセージに新鮮さがなくなるからね」

  ようは勉強したり、情報を得たりすることによって、自分らしさを失うと考えているのだ。 ・・・続きを読む
(残り:約801文字/本文:約1616文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
デモクラシーやJournalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

杉浦由美子の新着記事

もっと見る