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放送コンテンツ輸出はテレビ東京が首位

中国や米国でのアニメのネット配信が急伸、国の助成を受け地方局も積極展開

川本裕司 朝日新聞社会部記者

 視聴率では民放キー5局で最下位ながら個性的な番組で注目を集めるテレビ東京が、放送コンテンツの輸出額で首位に立っていることが明らかになった。定評のあるアニメ番組のインターネット配信が急伸したことが後押ししている。海外への発信に力を入れる政府の助成を利用した地方局の参加も増えるなど、コンテンツ輸出の顔ぶれや勢力図は様変わりしている。

  総務省が4月に発表した2015年度の放送コンテンツの輸出額は、289億円(前年比58%増)。分野別では、アニメが204億円(同74%増)と大幅に伸び、全体の7割を超えている。輸出先ではアジアが半数強。急速に増えているのはインターネット配信権の販売で、番組放送権に迫る勢いだ。

  とくに急増しているのはアニメのネット配信権の輸出で、相手国は中国と米国が中心といわれる。関係者によると、「NARUTO」シリーズをはじめとしたアニメの製作・販売に力を入れてきた。16年度のテレビ東京の放送コンテンツ輸出額は前年度の2倍以上と急成長している。ネット配信が輸出の半分を占めるという。

  この背景には違法に配信され無料で見られる海賊版対策があった。テレビ東京は09年に米国の動画配信会社と、最初の1週間を有料にするサイトに移行しビジネスとして成功する仕組みをつくった。11年には中国の配信業者と提携し、正規流通の道筋をつけた。

  総務省はNHK(15年度で23億円)を除き、放送局別の輸出額は公表していない。ただ、15年度の民放キー局(計113億円)では、ドラマ販売やバラエティー番組のフォーマット権で実績のあるTBSテレビの22億円がテレ東以外では最高だった。次いで日本テレビの17億円、フジテレビが9億円(推定)などとなっており、複数の関係者はテレビ東京が首位と見ている。

  米国の動画配信会社クランチロールとアニメの投資会社を設けている住友商事のメディア・エンターテインメント事業部は ・・・続きを読む
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筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員。10年、論説委員兼務。17年4月から東京社会部。著書に『ニューメディア「誤算」の構造』。共著に『テレビ・ジャーナリズムの現在』『被告席のメディア』『新聞をひらく』。

 

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