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座間殺人事件で考える「SNSとの付き合い方」

未成年の被害者が携帯電話にフィルタリングをしていれば犠牲になっていなかった

河合幹雄 桐蔭横浜大学法学部教授(法社会学)

アパートの一室で9人の遺体が見つかった現場=2017年10月31日、神奈川県座間市緑ケ丘6丁目拡大アパートの一室で9人の遺体が見つかった現場=2017年10月31日、神奈川県座間市緑ケ丘6丁目
 2017年10月末に発覚した座間市での9人の殺害事件は、大きく報道された。ひととおり情報が出そろったところで、この事件が何であったのか冷静に考察しておきたい。

  まず、日本人の殺人事件について調べた経験から、この事件の特徴を整理する。被害者の数に注目すれば、これまで、被害者数が10人を遥かに超える事件は、数えてみるとかなりある。しかし、最大の津山の30人殺しも、相模原の障害者施設殺傷事件の19人も、一度の機会で多数殺害している事件がほとんどであり、日を置いて連続殺人の形でこれほどの人数の被害者を出したのは、古谷惣吉(犯行時・1965年)と大久保清(同・71年)ぐらいしかいない。

  なお、8人から10人を一挙に殺害するのは、一家皆殺しのさいの家族人数が多かったせいもあって、過去には多数存在する。ここで海外に目を向ければ、30人、50人を長きにわたって1人ずつ殺害した事件が多数存在する。

  しかしこれは事例を検討すれば、犯人の能力や特異性ではなく、警察が検挙できないから起きていると考えられる。そこから逆に、日本の場合、連続殺人が、少人数に留まるのは、警察が逮捕してしまうからだと考えられる。

  今回の事件は、以上の考察と見事に符号する。今回9人もの犠牲者がでたのは、犯人の犯罪者としての高い能力のせいよりも、警察が捕まえられなかったせい、それも9人目の犠牲者が出るまで、殺人事件が起きていることさえ発覚していなかったことが原因である。

  この部分が最大の注目点として後で考察するが、先に、犯罪者側の特徴について簡潔に見ておきたい。いわゆるバラバラ殺人事件は、ほとんどの場合は、犯罪者が遺体の処理に困って発生する。 ・・・続きを読む
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筆者

河合幹雄

河合幹雄(かわい・みきお) 桐蔭横浜大学法学部教授(法社会学)

1960年、奈良県生まれ。京都大大学院法学研究科で法社会学専攻、博士後期課程認定修了。京都大学法学部助手をへて桐蔭横浜大学へ。法務省矯正局における「矯正処遇に関する政策研究会」委員、警察大学校嘱託教官(特別捜査幹部研修教官)。著書に『安全神話崩壊のパラドックス 治安の法社会学』『日本の殺人』『終身刑の死角』。

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