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稲田朋美氏は顔写真チョコ 手土産最前線(上)

行列スイーツより、バブル崩壊後に成長した新定番スイーツが最強

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 稲田朋美衆議院議員は、防衛相時代にいろいろと逸話を残したが、手土産に関するエピソードもインパクト大だ。アメリカのマティス国防長官と会談した際に渡した土産は、稲田氏の顔写真をプリントしたチロルチョコだった。

 マティス長官がそれを受け取ってどう感じたかはわからない。しかし、日本のメディアはこれを肯定的には報道しなかった。そして、その報道をみて、国民の多くが、防衛相の能力を不安を感じたはずだ。

 手土産というのはとても難しい。セレクトによって仕事の能力が測られることもある。特に、日本国内では、手土産の選択は難しくなっている。日本は世界一のスイーツ大国で、コンビニやスーパーでおいしいお菓子が手軽に買える。そのため、日本で暮らす人たちは、甘いお菓子に関して舌が非常に肥えている。そういう人たちが喜ぶものを手渡すのは難しい。今回は手土産で使われる「菓子箱」について考えてみたい。

  雑誌などの手土産特集では、目新しいものや話題性のあるものが取り上げられる。しかし、この記事では実用性を追求したい。

  グルメトレンドレポートの取材とライティングを担当していた経験や、取材先に手土産を持っていく際の試行錯誤といったことを元に書いていきたい。前半では、選ぶポイントを3つ示し、具体的なお薦め商品を紹介していく。

カステラのゴッドハンド職人によるどら焼き

  デパートの地下で売られる菓子はどれもおいしい。時間がない場合、入口近くの空いている店で買っても、まず失敗はしない。

  しかし、今回は利便性や実用性を重視して、より「失敗しない」手土産を考えたい。そこで3つのポイントを提案しよう。コストパフォーマンス、個別包装、万人受けする味わい、の3つである。

  まず、コストパフォーマンスを考えたら、海外ブランドではなく、国内ブランドを選びたい。海外ブランドはどうしても割高になってしまう。個別包装は保存がきくし、複数人数で分けやすい。

  次に万人受けする味だが、これを重視すると、定番の商品を選ぶことになる。しかし、昭和の時代から「定番」として君臨する超有名老舗ブランドの商品は、正直、コンビニスイーツとあまり差がないことが多い。

  経済が右肩上がりの頃に、名をはせたブランド商品だから、質的に2018年には通用しなくても当然だ。これらの超有名老舗も今までのやり方だけでは近年通用しなくなり、新しいブランドを立ち上げ、洒落たデザインのパッケージで展開するなどしている。

  超有名老舗が新ブランドで、目新しい商品を発売する。そうすれば、テレビや雑誌に取り上げられ、話題になるが、やはり、どうも味はリピートしたいほどではない。

  ところが例外もある。カステラで知られる銀座文明堂が出した新しいブランド、森幸四郎だ。森幸四郎は、銀座文明堂の中で、最も腕がいいとされたカステラの職人の名前である。このブランドで有名なのは竹の皮で包んだカステラだが、しばしば売り切れてしまう。また、本稿の選択のポイント「個別包装」からも外れる。

  そこでお薦めしたいのは「森幸四郎のどらやき」だ。柔らかく香りのいい皮は甘くない。醤油を塗っているのか、味わいも香ばしい、中のあんは甘さ抑え目だがコクがある。どら焼きが苦手な人でもおいしく食べられる。ひとつ216円(税込)と値段もリーズナブルだ。

  そのため、取引先への手土産にこの「森幸四郎のどらやき」を買い求めるビジネスマンも目立つ。木箱に入れてもらえば、高級感も増す。ちなみに池袋西武と大丸東京でのみ購入できる。通販はしていない。 ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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