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[6]地球の営みと地震・火山

日本列島はプレート運動によって形成された

福和 伸夫 名古屋大学減災連携研究センター長・教授

拡大地殻変動の様子が複雑な模様となって表れた「さや状褶曲」=兵庫県南あわじ市沼島、全日写連里口寿信さん撮影
 地震は、地球表面にある複数のプレートが個々に移動し、その干渉によって岩盤がひび割れることで発生する。岩盤が破壊することによって断層が生じ、震源断層から地震波が放出される。地震波は岩盤の中を伝播して我々の足元の基盤に到達し、さらに軟らかい地層で揺れを増幅しながら地表に達する。そして、構造物を揺さぶり構造物を壊し、都市を壊滅させる。これにより、多くの人が死に、けがをし、生活が困難になって社会が混乱する。

 地震発生の原因は地球の営みにある。従って、地球を扱う科学である地学を学ぶ必要がある。かつては、物理・化学・生物・地学の理科4教科は必須だったが、最近では高校で地学を学習することは稀である。地震活動期や地球温暖化の時代を迎え、地震や火山、台風などの気象災害や地球環境問題の基礎として、大地、海洋、大気について学ぶことは、必須だと思われる。そこで、本稿では、地球の歴史と構造について復習してみる。

地球の歴史

 宇宙の起源は、138億年前のビックバンにある。46億年前に太陽系や地球が誕生し、その直後の45億5千万年前に天体衝突によって月ができた。そして、42億年前に海洋が形成され、41億年前から38億年前の間には多くの天体衝突があったらしい。

 26億年前から火山活動が活発化し、マントル対流が始まって大陸ができた。大陸の形成や火山活動などによる寒冷化で、地球全体が凍結し、20億年前くらい前に超大陸ヌーアが分裂し始めた。その後、大陸の移動によって、10億年前のロディニア超大陸、7億年前のゴンドワナ超大陸、2.5億年前のパンゲア超大陸と、超大陸の形成と分裂を繰り返してきた。

 パンゲア大陸は、2億年前ごろから北側のローラシア大陸と南側のゴンドワナ大陸に分離しはじめ、2つの大陸の間にテチス海が形成された。テチス海周辺には大量の生物が存在し、中東の油田地帯形成につながった。その後、ローラシア大陸はユーラシア大陸と北アメリカ大陸に、ゴンドアナ大陸はアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド大陸、南極大陸、オーストラリア大陸、アラビア半島などに分離し、これらが移動して現在の大陸配置になった。

地球の時代区分

 地球の歴史は、生物の生存期間に基づいて区分した地質年代で語られる。古いほうから順に,冥王代・始生代(40億年前~25億年前)・原生代(25億年前〜5億4千万年前)・古生代(5億4千万年前~2億5千万年前)・中生代(2億5千万年前~6500万年前)・新生代に区分される。

 始生代は最古の岩石が見つかった時代であり、その始まりに原始生命が現れた。この時期には地磁気もオゾン層も無いので、海に守られた海底でしか生命は存在できなかった。その後、外核にある鉄などの金属が溶けて28億年前に地磁気が発生し、磁場によって太陽風や宇宙線から保護されるようになった。これにより、生物が太陽光が届く海面近くで生存できるようになり、原生代が始まった。

 原生代になって、光合成を行う細菌が増殖し、二酸化炭素から酸素が作られるようになった。さらに、6億年前にオゾン層が成層圏に形成されて紫外線が吸収されるようになり、生物が陸上で生きられるようになった。その後、全球凍結による生物の大量絶滅を経て、急激な温暖化でカンブリア大爆発と呼ぶ生物の多様化が起き、古生代が始まった。

 古生代は、カンブリア紀・オルドビス紀・シルル紀・デボン紀・石炭紀・ペルム紀に細分される。超大陸・パンゲアの誕生とともに火山活動などで生物の大量絶滅が発生し、古生代が終わる。中生代は、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に分類される。恐竜が繁栄した時代だが、約6500万年前に巨大隕石が衝突して生物の大絶滅が起こり、中生代が終わった。

 新生代は、古第三紀・新第三紀・第四紀に細分され、哺乳類と鳥類が繁栄するようになる。新第三紀は中新世と鮮新世に、第四紀は更新世と完新世に区分される。約250万年前に始まる第四紀は人類の時代であり、猿人が登場したのは500万年前、旧人は30万年前、新人の登場は3万年前である。更新世には4 回の氷期と 3 回の間氷期を繰り返した。最終氷期が終わった約1万年に始まる完新世は、縄文時代におおむね対応する。

 ちなみに、氷期には海面が下降して陸域が拡大し、間氷期には海が陸に入り込む。氷期には河川が谷を刻み、洪水によって礫や砂などが堆積する。一方、間氷期には海中に粘性土が堆積する。この結果、砂質土と粘性土からなる地層が形成される。更新世に堆積した地盤を洪積層、完新世の時代に堆積した地盤を沖積層と呼び、沖積層は洪積層に比べ軟弱である。

大陸移動説とプレートテクトニクス

 地球の構造は、化学的性質で分けると、地表から地殻・上部マントル・下部マントル・外核・内核であり、外核のみが液体である。一方、物理的性質で分けると、地殻とマントルは、地殻と上部マントルの一部から構成される剛体的なリソスフェア、流動性のあるアセノスフェア、弾性体のメソスフェアに分類される。

 アルフレッド・ウェゲナーは、1912年に「大陸移動説」を唱え、 ・・・続きを読む
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筆者

福和 伸夫

福和 伸夫(ふくわ・のぶお) 名古屋大学減災連携研究センター長・教授

1957年に名古屋に生まれ、81年に名古屋大学大学院を修了した後、10年間、民間建設会社にて耐震研究に従事、その後、名古屋大学に異動し、工学部助教授、同先端技術共同研究センター教授、環境学研究科教授を経て、2012年より現職。建築耐震工学や地震工学に関する教育・研究の傍ら、減災活動を実践している。とくに、南海トラフ地震などの巨大災害の軽減のため、地域の産・官・学・民がホンキになり、その総力を結集することで災害を克服するよう、減災連携研究センターの設立、減災館の建設、あいち・なごや強靭化共創センターの創設などに力を注いでいる。

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