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羽生結弦が宣言「クリーンに滑れば絶対に勝てる」

本番リンク公式練習後の会見詳報

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

記者会見で笑顔を見せる羽生結弦=13日、韓国・江陵拡大公式練習後の記者会見で笑顔を見せる羽生結弦=2018年2月13日、韓国・江陵

 2月11日、カナダから韓国の仁川空港に到着した羽生結弦は、2日後の2月13日、本番リンクで初の公式練習を行った。前日の練習リンクでのようにたっぷりとスケーティングに時間をかけて体を温めると、ここでは4サルコウと4トウループ+3トウループのコンビネーションをきれいに跳んでみせた。

 この公式練習直後、かねて予定されていた事前記者会見が行われた。

 部屋いっぱいに世界中の記者とカメラマン、そしてテレビカメラが待機している中で、いきなり通訳を依頼された。運営側はIOC(国際オリンピック委員会)に雇用された同時通訳を手配していたのだが、急遽メインプレスセンターのほうに回ってしまい、江陵アイスアリーナの会見場にはこられないという。

 筆者は40年アメリカで暮らしてきて、今まで日本国外で開催されたGP(グランプリ)大会や世界選手権などでは、日本スケート連盟に依頼され、ボランティアとして会見通訳を務めてきた。だがさすがにオリンピックという舞台で、しかも羽生の復帰会見となるとあまりにも荷が重い。だいたい筆者は、連盟の関係者ではなくフリーランスのライターである。

 日本スケート連盟の関係者の誰かにやってもらえないかと頼んでみたが、日本スケート連盟の広報担当者は「田村さんお願いします」を繰り返すばかり。ここで私がやらなければ会見は成り立たないと覚悟を決めて、壇上にのぼった。

「4回転は2週間~2週半々前から」

 時間ほぼきっかりに羽生結弦が登場して、いっせいにカメラのフラッシュがたかれた。司会者が彼にまず最初のコメントを求めた。

 「えっと、コメントとふられても、どうしていいかわかんないんですけど」と羽生がちょっと苦笑いをすると、再びシャッター音の嵐。まるでロックスターのようだ。

 「怪我をしてから3か月間、試合を見るだけだったし、スケートも滑れない日々がすごい長くて、きつい時期を過ごしましたが、こうして無事にメインのリンクで滑ることができて嬉しく思います。まだまだ試合がはじまったわけではないですし、全然気を緩めるつもりはないですが、しっかり集中しながらできることを一つずつしっかりとやっていきました」

 ここまでのコメントを英訳すると、「すいません、もう一個だけいいですか」と言って、羽生がこう付け加えた。 ・・・続きを読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書に、『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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