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木村拓哉の新スタートはなぜ失敗したのか(上)

西武百貨店の広告では解散騒動を示唆し、『BG』では等身大の中年男に挑戦したが

杉浦由美子 ノンフィクションライター

 冬のドラマも終盤を迎えている。ゴールデンタイムのドラマの中でも4%台という低い視聴率が複数記録され、ドラマ不況は加速している。一方で視聴率好調なドラマもあり、そのひとつが、木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)だ。全9話中、8話までの平均視聴率は15.0%。冬のドラマの中では第2位である。

  しかし、木村拓哉にとって、このドラマは成功だったのか? という疑問の声がコンテンツ業界や週刊誌記者、芸能プロダクション関係者からは聞こえてくる。

  なぜなら、『BG』のメインテーマは「新生・木村拓哉」だったからだ。ご存じのように、SMAPは解散し、ジャニーズ事務所を辞めた3人は公式ファンサイト「新しい地図」を立ち上げたり、ネットで活動を展開したりと、新しいスタートを切っている。

  新しい道に歩き出したいのは木村拓哉も同じだろう。 木村拓哉も45歳だ。

  木村はジャニーズ事務所のオーディションを受けた段階で、その美貌で他を圧倒していたという。何十年にひとりの逸材である。その彼は1990年代には、少女漫画から抜け出したような容貌で、恋愛ドラマに出演し、世の女性を魅了した。

  その彼は30代になると“強いイケメンヒーロー”を演じるようになる。それは弁護士だったり、パイロットだったりした。去年放送された『A LiFE~愛しき人~』(TBS系)ではゴッドハンドの外科医役だった。その一方で、2015年『アイムホーム』(テレビ朝日系)では父親役を演じ、路線変更を模索しているように見えた。

木村拓哉「あたらしい“私”」とは

  そして、『BG』では、明らかに「新しい木村拓哉」を打ち出してきた。45歳という年齢にふさわしい等身大の中年男を演じようとした。

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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