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ミラノ世界選手権の舞台裏。罰金、盗難が続々

報道関係者や観光客はカモ? 呪詛の声が蔓延したプレスルーム

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

 ミラノで開催されたフィギュアスケート2018年世界選手権も無事終了。男子は羽生結弦が欠場したが宇野昌磨が右足を負傷しながらも銀メダルを獲得。女子では樋口新葉が銀メダル、宮原知子が銅メダルを手にして、日本にとっては充実した結果の大会となった。

交通管理局の検査官(中央)に「イタリアでは我々の写真を撮るのは違法だから消せ」と脅されたが、「何か問題があるなら警察署まで一緒に行きましょう」と主張したところ、引き下がった=撮影・筆者拡大交通管理局の検査官(右)に「イタリアでは我々の写真を撮るのは違法だから消せ」と脅されたが、「何か問題があるなら警察署まで一緒に行きましょう」と主張したところ、引き下がった=撮影・筆者
 だがこの世界選手権では、様々なトラブルも少なくなかった。その最大の問題は、会場となったメディオラナムフォーラムのあるアサーゴの駅で待ち構えていた、ミラノの交通管理局の検査官たちである。

トラブル続きの切符購入

 メディオラナムフォーラムの最寄り駅アサーゴへは、ミラノ市内から地下鉄で20分ほどの距離だ。料金は通常の1.50ユーロ(1ユーロ=約130円)ではなく、2.50ユーロの切符が必要になる。

 だがその切符を購入するのが、簡単ではないのである。市内の地下鉄の駅はほとんど無人で、半分壊れかけたような旧式の自動販売機があるだけだ。そこの英語サイトに行っても、どういうわけかこの2.50ユーロの切符を買う選択が出てこない。筆者も、地元のイタリア人女性に助けを求めたが、彼女でも2.50ユーロの切符の買い方がわからなかった。

 彼女が「これだと思う」と指をさしたのは、なぜか1.60ユーロの郊外用切符。それを2枚買おうとして5ユーロ札を入れたら、機械は3分くらい唸り声をあげたあげく、ようやく出てきたのは1枚の切符と2枚分チャージされた釣り銭だった。苦情を言おうにも、係員の姿はどこにもないのである。

 その切符でゲート内に入ろうとしたら、なぜなのか赤ランプがついて入れない。仕方なく自動販売機の長い列に並びなおし、1.50ユーロの一般切符を買ってようやく地下鉄に乗り、アサーゴの駅に到着した。

「罰金よこせ」

 さて出発駅はまったく無人だったのに、なぜかアサーゴ駅の改札には、10人以上の交通管理局の検察官が待ち構えていた。 ・・・続きを読む
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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書に、『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』、『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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