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中学受験の異変、渋谷学園渋谷が桜蔭に並ぶ(下)

社会性か学力向上か、共学にデメリットはないのだろうか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

桜蔭の卒業生である女優の菊川怜さん=2016年、東京都港区拡大桜蔭の卒業生である女優の菊川怜さん=2016年、東京都港区
 2018年の中学受験偏差値で、桜蔭と渋谷学園渋谷が並んだことを機に、この2校について書いている。桜蔭出身者で一番知名度が高いのはタレントの菊川怜だろう。彼女は桜蔭時代、頭の回転の速さで面白いことを言っては同級生を笑わせていたという。その得意なトークを披露せずに、優等生高学歴タレントに徹することで、芸能界を生き抜いてきた。

  一方、渋谷学園渋谷の姉妹校で、似た校風の渋谷学園幕張の出身者で知名度が高いのは、日本テレビの水卜麻美アナウンサーだ。飛び抜けた美貌で学生時代から目立ち、慶応大学時代は常に複数の男子たちに取り巻かれていたと聞く。だが、現在は、気さくなキャラクターを打ち出し、テレビで活躍している。菊川は優等生としておとなしく生きるのに対して、水卜麻美は空気を読む達人であるように見える。このふたりは、桜蔭と渋谷学園を象徴しているようにも感じられる。

勉強する女の子ほど外見も気にするのはなぜか

  菊川怜が青春を過ごした頃の桜蔭の同級生たちは、「女の子としての幸せを捨てて、勉強をする」という感覚を持ち合わせていたが、今の秀才女子たちは違う。ガリ勉しつつも、女の子としての充実感も追求する。その結果が渋谷学園渋谷の台頭ということだと書いた。

  かつてだと、パッとしない制服は、硬派だとか、ストイックだとか、そういう視点で「かっこいい」と捉えられたかもしれない。しかし、現在は可愛くない制服への拒否反応は高まっている。そして、勉強を熱心にする女の子たちほど、その外見へのこだわりは高まって当然だろう。上昇志向があるから勉強をするわけで、社会に出て注目されたいという気持ちが強いのだから、外見も気にするだろう。 ・・・続きを読む
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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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