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W杯西野ジャパンはサプライズなしの経験重視

発表当日午前まで慌ただしく入れ替えたサッカー日本代表「候補」27人

増島みどり スポーツライター

 西野朗・日本代表監督(63)が就任1カ月で初めて自らで選出したW杯日本代表「候補」27人が、18日、都内で226人の報道陣を集めた会見で明らかになった。

 監督は1カ月間の視察で「時間も切迫していて、チームのベースは(ハリルホジッチ監督の体制と)大きく変わることはない」とあらかじめ話しており、その言葉通り、27人はハリルホジッチ監督体制の約3年間で招集された選手のみ。

 W杯3大会連続出場がかかる本田圭佑、岡崎慎司、2人と並ぶ柱、香川真司、長友佑都、長谷部誠といったW杯経験者が揃い、メンバーの顔ぶれにサプライズや意外性はなかった。初の代表発表を船出にたとえれば、紙吹雪やテープが舞うことなく静かに出港した印象だ。

 14日にFIFA(国際サッカー連盟)に対して行う予備登録35人を提出し、この日はその中から、壮行試合となるガーナ戦(30日、日産スタジアム)メンバーを選出した。

 しかし、当初、昨年Jリーグ得点王でMVPのFW・小林悠(川崎)がリストに入る28人で予定しており、ケガをした小林の辞退が判明したのは18日朝だったという。また今野泰幸(G大阪)も足首の手術のため予備登録を外れた。

 西野監督は会見で「選手の状況は刻一刻と変化している。現時点の状況と同時に、(6月19日の初戦)コロンビア戦を想定した」と苦しい一面ものぞかせ、試合から遠ざかっている香川、本田の調整力、「代えが利かない」と運動量と共にチームへの献身的プレーを高く評価された岡崎ら経験値に期待を寄せるとした。

 メンバーのうち4年前のブラジルW杯グループリーグ3戦目、1-4で完敗したコロンビア戦を経験した選手が8人もいる。監督が「是非やってもらいたい」と、会見で主将に指名した長谷部は3大会連続で主将となりそうで、サプライズや意外性、変化も少ない「出場試合数重視」の代表となった。

Jリーグ首位広島のボランチ青山敏弘を3年ぶりに招集

 唯一、小さな驚きといえば、ハリル体制2試合目のウズベキスタン戦(2015年3月)で先発して1得点を挙げた青山敏弘(32)の選出だろう。

横浜戦で斎藤(左)と中盤で激しく競り合う広島・青山。3年ぶりに日本代表に復帰した=2017年7月8日、日産スタジアム横浜戦で斎藤(左)と中盤で激しく競り合う広島・青山。3年ぶりに日本代表に復帰した=2017年7月8日、日産スタジアム
 現在Jリーグ首位を走る広島で、西野監督も「チーム事情を作っていると言ってもいい。広島を象徴する最高のパフォーマンスをしている」と絶賛。もちろん、広島OBで監督として優勝し、今大会からスタッフ入りした森保一(もりやす・はじめ)五輪監督の推薦があったのは間違いないが、西野監督のサッカーを語る上で欠かせない「ボランチ」を務める可能性は高い。
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