規制改革推進会議の答申から「民放不要」の規制廃止が消えたが……
2018年06月06日
政治的公平を定めた放送法4条撤廃が取りざたされた政府の「放送制度の改革方針」で、規制改革推進会議は4日まとめた第3次答申に、民放が反対していた放送法4条や外資規制の撤廃などは盛り込まれなかった。しかし、政府案にうたわれていたNHKの「同時常時配信」や国際放送の強化などが検討項目に掲げられた。民放不要論につながる結論は見送られたものの、官邸は改革方針への意欲を失っていないと見られている。安倍晋三首相が9月の自民党総裁選で3選され続投となった場合は、放送法改正問題が再燃するのではという警戒論が消えていない。
第3次答申であげられた改革項目として、①で「NHK常時同時配信の是非の早期結論」と「地方局の経営基盤のあり方の検討」、②で「NHK国際放送の強化」「放送コンテンツの海外展開の支援」、③では「制作会社との取引、現場の働き方の環境改善」「コンテンツ流通の促進」などが掲げられた。それぞれの具体的な方策については今後、総務省で検討される。
当初、政府案の「通信・放送の改革ロードマップ」にあった、放送法4条、番組審議機関、マスメディア集中排除、外資規制といった放送特有の規制撤廃のほか、ハード(放送設備部門)・ソフト(番組制作部門)の分離は、答申の具体策に入らなかった。日本民間放送連盟は4日、「懸念されたような放送の意義や公共的役割を否定する文言は見当たらず、放送の公共的役割を尊重する取りまとめになった」と一定の評価を明らかにするコメントを発表した。
ただ、政府とメディア側の緊迫したやり取りがあったといわれる。解体にさらされかねない民放だけでなく、新聞各紙も懐疑的な報道が目立った。とくに、読売新聞は社説でいち早く反対の立場を鮮明にし、報道量でも他紙を圧倒した。
関係者によると、政治記者OBのマスコミ幹部らと安倍首相が4月2日夜に会食した際、
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