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艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏逮捕に、外国政府は毅然とした対応を

土井香苗

土井香苗 国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表

 中東や北アフリカで3ヶ月間にわたり起きている大規模な民衆デモ。中国で起きた大規模な民衆蜂起は1989年の天安門事件まで遡る。天安門事件で党崩壊寸前を体験した共産党は、以来、社会運動に万全の防御体制をとるようになった。

 そして、チュニジアとエジプトでの革命を見習おうと「中国版ジャスミン革命」がインターネット上で呼びかけられた2月半ば以降、共産党は極めて迅速に強烈とも言うべき対応を続けている。政府批判や平和的な社会運動を理由に、中国政府によって逮捕、失踪、自宅軟禁、尋問のための召喚、逮捕すると脅迫をされた人の数は、この2ヶ月間で200人以上にのぼる。

中国当局に逮捕された芸術家・艾未未氏
 その象徴とも言える人物が、2011年4月2日の朝、香港行きの飛行機に乗ろうと北京空港に出向いた際に逮捕された著名な芸術家、艾未未(Ai Weiwei、アイ・ウェイウェイ)氏であろう。日本でも、2009年に六本木の森美術館でアイ・ウェイ・ウェイ展(http://www.mori.art.museum/contents/aiweiwei/)が開催されるなど、ファンが多い。

 氏はその政府に対する厳しい批判で知られるが、氏の逮捕に対する中国内外の強い関心にもかかわらず、中国政府は、艾氏拘禁の場所や逮捕の理由を開示することを拒否したままだ。

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