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出遅れた自衛隊の無人機(上)

清谷信一

清谷信一

 今世紀に入って世界の軍隊ではUAV(無人航空機)やUGV(無人地上機)など無人機、ロボット兵器の導入が急速に進んでいる。

 だが、東日本大震災において被災者の捜索、あるいは福島原発の状況確認などで自衛隊の無人機がまったく活躍していない。

 我が国は世界に冠たるロボット先進国だ。産業用ロボットでは世界のシェアの7割を占め、国内で稼働している産業用ロボットの数もこれまた世界一だ。

拡大イタリア軍の歩兵システム用に採用されたミニUAVのASIO=筆者提供
 にもかかわらず、自衛隊の無人機・ロボットの導入は諸外国に比べて遅れている。先進国でこれらの無人機の研究開発が本格化したのは、90年代からで9・11後のテロとの戦いが始まってから急速に普及しだした。

 大型のUAVは有人機では不可能な長時間監視が可能だ。小型のUAVは航空機を保有していない中隊以下の小さな部隊でも運用可能で部隊の目となる。また撃墜あるいは墜落しても人的損害がでない。UAVは地雷やIED(手製爆弾)を処理したり、建物に突入する際に事前に室内の様子を偵察する。あるいはUGVに武装させて攻撃をさせることも可能だ。

 無人機は従来人間が負っていた危険な任務を肩代わりさせている。無人機は軍隊に高いISR(情報・監視・偵察)能力を付加させることができる。敵情を詳しく知れば、その分味方の損害は減らせる。今回の原発事故では米国iロボット社のパックボットが投入されているが、これは米地上軍が6000体以上を調達し、アフガニスタンなどの戦場で使用している。 ・・・続きを読む
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筆者

清谷信一

清谷信一(きよたに・しんいち) 軍事ジャーナリスト

軍事ジャーナリスト、作家。1962年生まれ。東海大学工学部卒業。03~08年まで英国の軍事誌Jane's Defence Weekly日本特派員。香港を拠点とするカナダの民間軍事研究機関、Kanwa Informtion Center上級顧問。日本ペンクラブ会員。著書に『専守防衛─日本を支配する幻想』『防衛破綻―「ガラパゴス化」する自衛隊装備』『自衛隊、そして日本の非常識』『ル・オタク フランスおたく物語』、共著に『軍事を知らずして平和を語るな』『アメリカの落日―「戦争と正義」の正体』『すぐわかる国防学』など。最新刊に『国防の死角――わが国は「有事」を想定しているか』。

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