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【復興構想会議から】 霞が関の作法

高成田享

高成田享 仙台大学体育学部教授(スポーツメディア論)

 東日本大震災から2か月、復興構想会議が始まって1か月が過ぎた。「何も決めない」「増税論議が先走っている」と、世間の評価はあまり芳しくない。委員として参加している私自身、同じようないらだちを感ずるときがある。

 それでも、仮設住宅の設置で、国や県のさまざまな規制があるなかで、市町村が自分たちの判断で建設できるように、国や県が弾力的な対応をすることを周知徹底させるなど、被災者や市町村が求めていることが一歩前進していることもある。「何も決めない」という当初のイメージを払拭するのは難しいにせよ、復興ビジョンの作成だけでなく、現場の実情に応じた機動的な対応も少しはできるようになってきたと思う。

 ところで、構想会議のルールは、

(1)会議そのものは非公開にするが、名前を伏せた会議の概要をその都度できるだけ早く公開する

(2)会議の任務が終了後、発言者の名前も含めて議事録を公開する

(3)1回の会議が終わるごとに、議長がその概要を記者会見で説明する

(4)ほかの委員も自分が会議で発言した内容については公表できる。ただし、ほかの委員の発言を公表してはならない

 といったことになっている。

 したがって、私もこのルールに従って、会議にかかわることは書いていく。

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