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「日韓対等時代」がもたらした宿命的摩擦(上)――自民3議員入国拒否から、「韓流偏重のフジテレビ見ない」8・8運動まで

小北清人 朝日新聞湘南支局長

 これまで実感したことのなかった新たなパラダイムに日韓関係は入ったのではないか。見方によっては、これはかなりの広がりを持つ「事件」なのではないか。そう思わせる興味深い出来事が8月早々、相次いで起きています。

 ひとつは8月1日、新藤義孝衆院議員、稲田朋美衆院議員、佐藤正久参院議員の自民党3議員が韓国の鬱陵島(ウルルンド)を視察に訪れようとしたところ、金浦(キムポ)空港で韓国政府に入国を拒否され、長時間足止めされた末に日本に帰らされた事件です。テロリストでもあるまいし、日本の国会議員を「好ましからざる人物」扱いで門前払いする韓国政府の姿勢は、どうみても過剰反応としか思えません。(その一方で、自民党議員らが空港での昼食にビビンパを食べ、土産に韓国ノリを買って帰ったというのは、なかなかのユーモアではありました)。

 もうひとつは、7月末からネット言論の世界で大騒ぎになっていた「8・8運動」です。これは「フジテレビの番組を見ない運動」というもので、同局が「フジテレビの日」と制定した8月8日にはフジの番組を一切見ないようにしよう、とツイッターなどで広く呼びかけられました。後難(?)を恐れてか日本のテレビや新聞は報じません。俳優の高岡蒼甫さんがフジテレビを、「韓流ドラマばかり流している。どこの国のテレビ局なのか。もう8は見ない」などとネットで批判したのをきっかけに所属事務所を退社することになったのが運動の起爆剤となったようです。これが直接の原因かはわかりませんが、フジテレビの株価は下落、抗議はフジの番組スポンサーへの非難活動にも発展しました。

 直接関係ないこの二つの出来事が地下水脈でどことなくつながっているように

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