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 ケニヤにいるアメリカのオバマ大統領の腹違いの兄のマリク・オバマ(55)が、3月3日に行われた地域の長を選ぶ選挙に立候補し惨敗した。オバマ大統領の父親の故郷は、ケニヤ西部のビクトリア湖に近いコゲロという名の村である。ウガンダ国境にも近接している。

 オバマ大統領と同じように長身のマリク候補は、当選者に14万票の差をつけられて落選した。彼は、弟がアメリカを変えるために努力し、自分はケニヤに変化をもたらす、と訴えた。ワシントンとの直接のつながりが選挙区に繁栄をもたらす、とも語った。アメリカの飲食店のチェーン・ストアをこの地区に誘致できるとも訴えた。「あちらでもオバマ、こちらでもオバマ」との選挙スローガンを前面に打ち出した。しかし票は集まらなかった。

 投票を前にイギリスの『デイリー・メール』紙とのインタビューでマリク候補は、父親から常に大志を抱くように教えられた、年に一回はホワイト・ハウスを訪ね、オバマ大統領と会っている、2002年の11月にも再選の直後にワシントンを訪れたと語っている。また弟とは、いつでも電話で話すことができると、アメリカ大統領との親密さを訴えた。

 メディアは、マリク候補の新しいキャンペーンの方法が敗因の一つではないかと分析している。というのは支援者にお金を配らなかったからだ。どうも支援者にお金を配るというのがケニヤでは通常の票集めの手段であり、それをやらなかったのが、不人気につながったようだ。

 なお『デイリー・ミラー』紙によればマリクには12人の妻がおり、そのうちの二人からは暴力をふるわれたと告発されている。さらに同紙によれば、オバマ大統領の別の腹違いの弟のジョージ・オバマも政治への野心を示している。ナイロビのスラムで密造酒を飲みながら、アメリカの大統領との関係を吹聴している。ジョージは、オバマ大統領の父親の4人目の妻の息子である。

 もちろんアメリカのオバマ大統領の方は、こうした血縁たちとは距離を置いている。東アフリカが遠くてよかったと思っているだろう。ちなみに2012年の大統領選挙でアメリカのオバマは1億1800万票を獲得したが、ケニヤのオバマの方は2793票を集めたに過ぎない。

 オバマ大統領の血縁がいるという以上にケニヤはアメリカにとっては重要な国である。諜報の世界でよく知られている事実は、 ・・・続きを読む
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筆者

高橋和夫

高橋和夫(たかはし・かずお) 放送大学教養学部教授(国際政治)

北九州市出身、放送大学教養学部教授(中東研究、国際政治)。1974年、大阪外国語大学ペルシャ語科卒。1976年、米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『アメリカとパレスチナ問題』(角川書店)など多数。ツイッター https://twitter.com/kazuotakahashi ブログhttp://ameblo.jp/t-kazuo 

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