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[4]♪♪あきれたもんだな サマータイム・ブルース!(承前)

法廷内取材

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

 驚いたことに、この映画版の『標的の村』のなかで、映画の重要なテーマの柱となっている裁判の1シーンの映像使用をめぐってトラブルが生じているというのだ。

 米軍ヘリパッド建設着工に抗議して座り込んだ東村・高江の住民が、国から「通行妨害」で訴えられるという訴訟があった。国家や巨大企業が、弱小な個人を戦術的に威嚇するために訴訟を起こす事例をアメリカでは「スラップ訴訟(SLAPP=Strategic Lawsuit Against Public Participation)」として多くの州では禁止されている。

ゲート前に座り込み、沖縄防衛局の重機搬入を阻む住民たち(手前右側)=2011年11月15日、沖縄県東村高江ゲート前に座り込み、沖縄防衛局の重機搬入を阻む住民たち(手前右側)=2011年11月15日、沖縄県東村高江
 映画では日本版のスラップ訴訟ではないかと告発しているのだが(何しろ現場に行ったこともない当時7歳の女の子までが「被告」として国=法務大臣が訴えていたのだから)、その際、報道機関が権利として撮影している「法廷内撮影」(通常は開廷直前の限られた時間内に代表カメラが行うことが多い)の映像を使用することに那覇地裁が難色を示したというのだ。

 「目的外使用にあたる」とかいう見解だという。直接的には僕はこの情報の第一報は琉球新報の記事(7月27日付)から知ったのだが、ええっ!そんな馬鹿な!と思ってよくよく記事をチェックしてみたら、

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