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 世界に誇る皇室と日本の文化伝統を大切にする社会づくりを目指します。
 日本の歴史と国柄を踏まえた、誇りの持てる新憲法の制定を目指します。
 日本のために尊い命を捧げられた、靖国の英霊に対する国家儀礼の確立を目指します。
 日本の未来に希望の持てる、心豊かな子どもたちを育む教育の実現を目指します。
 世界から尊敬される道義国家、世界に貢献できる国家の確立を目指します。
 (「神政連の主な取り組み」神政連WEB NEWSより)

 日本にも世界にも、政党を支える団体は数多くある。米国議会の議会調査局が2014年2月20日付でとりまとめた報告書『Japan-U.S. Relations: Issues for Congress』のなかで、「美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する民間団体」である「日本会議」を名指しで批判したことはまだ記憶に新しい。

 ちなみに東京都議会で女性蔑視ヤジを飛ばしておきながら、記者らの質問に対して数度にわたり「私ではない」とシラを切っていた鈴木章浩都議も、日本会議地方議員連盟に名を連ねている

 このように数多くある政党支持団体なかでも、宗教法人の神社本庁(*べつに「庁」とあるからといって政府等の公的機関ではない)をはじめとする、神社界を母体とした団体に1969年に発足した神道政治連盟(略称:神政連)という団体が存在する。ちなみに神政連の所在地は神社本庁と同じ、明治神宮の隣の住所だ。

 神政連の目的は「『神道精神を国政の基礎に』を合い言葉にして結成された神社界を母体とした団体」であり「正しい政教関係の確立、教育の正常化等の活動を通じて、国民の幸福、日本の繁栄、さらには世界の平和に寄与すること」だという。その「主な取り組み」は冒頭で挙げた5点に集約されている。

神社本庁の関連団体一覧ページより http://jinjahoncho.or.jp/honcho/index4.html拡大神社本庁の関連団体一覧ページより  http://jinjahoncho.or.jp/honcho/index4.html

 「神道精神を国政の基礎に」と「正しい政教関係の確立」が何を意味するのかについての検討は後段に譲るとして、主な取り組みのいずれもどこか既視感のある文言が数多く見受けられる。

 神政連は現在でも「家族の絆はどうなるの?~夫婦別姓という選択~」という夫婦別姓に反対するパンフレットを作成しており、過去にも「民主党の政策について」といった政治的な角度が明確なものをはじめ「人権擁護法案推進の動きの問題点について」「永住外国人地方参政権付与法案推進の動きの問題点について」「A級戦犯とは何だ!」などの小冊子を作成してきた。

 この神政連には神道政治連盟国会議員懇談会という組織が存在し、2014年6月20日現在、自民党を中心にじつに283名(衆院206名、参院77名)もの国会議員を擁立している。ちなみに衆参両院の定数はそれぞれ480名、242名の計722名なので、実に衆参両院の約4割弱が同懇談会のメンバーという、もっとも強力な団体の1つだ。

 日本各地にも支部を設立しているこの神政連については、すでに2013年11月23日の段階で、ジャパン・タイムズが同団体の動きについて最も成功を収めている政治ロビー団体として取り上げ、「神道が日本政治に影響力を増している」と警鐘を鳴らしている。筆者も新年には神社へ初詣に行くものの、このように書かれると、公明党を揺さぶるために憲法上の政教分離を持ち出した「飯島発言」との関係が気になるところだ。

 このジャパン・タイムズの記事には、神政連の国会議員懇談会の会長が安倍晋三首相だと記されていたことからも、神政連が安倍首相をはじめ自民党の国会議員たちとの関係性が強いことが伺える。

 ちなみに6月11日にも首相は同懇談会と神政連の合同会合に出席している。また神道政治連盟国会議員懇談会のウエブサイトのリンク先には、山谷えり子参院議員やありむら治子参院議員のホームページへのリンクが、神社本庁ホームページへのリンクとともに配置されている

神道政治連盟国会議員懇談会拡大神政連WEB NEWSにある「神道政治連盟国会議員懇談会」のページ。右側に山谷えり子参院議員やありむら治子参院議員のホームページへのリンクがある

 宗教と政治の関係について考えるさい、近年の出来事でまず思い起こされるのは、2000年に森喜朗内閣総理大臣(当時)が行ったいわゆる「神の国発言」だろう。当時、同発言は国民主権や政教分離に反するとして社会問題化し、結果的に森政権の内閣支持率を落とすことで、同内閣を失速させるきっかけとなった。

 その「神の国発言」を行ったのが、他でもない神道政治連盟国会議員懇談会の結成30周年記念祝賀会の場だったため、さまざまな憶測を呼んだ。

 しかしながら、たとえば、作家の竹田恒泰氏によって ・・・続きを読む
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筆者

五野井郁夫

五野井郁夫(ごのい・いくお) 高千穂大学経営学部教授(政治学・国際関係論)

高千穂大学経営学部教授/国際基督教大学社会科学研究所研究員。1979年、東京都生まれ。上智大学法学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了(学術博士)。日本学術振興会特別研究員、立教大学法学部助教を経て現職。専門は政治学・国際関係論。おもに民主主義論を研究。著書に『「デモ」とは何か――変貌する直接民主主義』(NHKブックス)、共編著に『リベラル再起動のために』(毎日新聞出版)、共訳書にウィリアム・コノリー『プルーラリズム』(岩波書店)など。

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