2014年07月05日
日韓関係が過去最悪と言われて久しい。読売新聞と韓国日報が5月23日から25日の3日間にわたって行った共同世論調査の結果にもそれははっきり表れていた。
「現在の日韓関係について、日本では『悪い』と答えた人が87%に達し、1995年以降の調査で最悪だった昨年の71%を大きく上回った。韓国でも『悪い』は86%で、昨年の78%から増え、過去3番目の高さだった。日本では『韓国を信頼できない』が過去最悪の73%(昨年55%)に急増し、韓国では『日本を信頼できない』が83%(同80%)に上った」
「悪い」と答えた人は日本で87%、韓国で86%。確かに悪いのだが、私はこの数字の近さに感銘をうけた。ここまで日韓で相互の認識が一致するとは……。むしろ2013年の「信頼できるか」の問いのように、一方だけが信頼しているという方がバランス的にはよくない。
ただ、この結果もやはり韓国側ではあまり話題にならなかった。韓国日報のリンクを検索してみると同じ記事があるのだが、ツイッターやフェイスブックなどのリンクも読売新聞のそれとは桁違いに低い。
セウォル号事件でそれどころじゃないというのもある。でも、やはり日韓関係の悪化は、日本でより関心がもたれているようだ。
とはいえ、日韓関係の悪化に大変心を痛めている人たちもいる。直撃をくらっているのは日本人観光客相手の仕事をしている人たちだ。日韓首脳会談も開かれない「不正常な関係」にいらだちがある。韓国政府は旅行会社などには緊急支援もしているが、それは一部に過ぎない。
「大統領はよくても私たちは困ります。昨年から日本人のお客さんがどっと減ってしまった。でも家賃は払わなければいけないし、従業員の給料だって……」
ソウルの古くからの繁華街、明洞には日本人に特化して営業をしてきた店が少なくない。そういう人たちからは悲鳴が聞こえてくる。
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