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「リ☆パブリカンWho’s Who」キックオフ座談会(上)――これからのリーダー像

鈴木崇弘 城西国際大学客員教授(政治学)

 今回、WEBRONZAを舞台に、「リ☆パブリカンWho’s Who…何故彼らは社会を変えたいのか? 2025年のリーダー像を探る…」という名称でゲリラ企画を開始します。

 本記事は、そのキックオフとして、このプロジェクトの意図や内容について、主要メンバーで議論したものを紹介します。なお、議論は、鈴木崇弘(城西国際大学、徳田雄人(スマートエイジング代表理事)、畠山陽子(クロスカルチュラル・コミュニケーションズ代表)、服部篤子(DSIA常務理事)の4名で行いました。

[企画の説明]
鈴木  まず私たちが、これから進めていく企画「リ☆パブリカンWho’s Who…何故彼らは社会を変えたいのか? 2025年のリーダー像を探る…」について、まず説明させてください。

 日本社会は、豊かになり、個々人の意見は多様になってきています。ここでは、以前と異なり、社会やコミュニティーなどの一つのパブリック(社会やコミュニティーなど)だけがあるのではなく、様々なパブリックが存在しているのだと思います。それによって、社会は多彩で、より豊かになれるのだと考えています。

 また社会は「生き物」です。継続するものもあれば、絶えず変化し続け、新しいものも創り出されています。

 そのような多様なパブリックや変化を創りだし、あるいはその変化に対応し続けていく上で、個人やリーダーの役割や活動は重要です。社会の変化のスピードが加速度的に速まっている現代は、その重要性はさらに高まっているといえます。

 そして、その役割や活動は、人との関わりであるさまざまなコミュニティーや社会を絶えず再定義し続けることです。それを、本企画では、「リ☆パブリック(re・public)」(*1)すること、と呼ぶことにしたいと思います。そして、それらの人材を「リ☆パブリカン」と呼ぶことにします。

 本企画では、皆さん方と、そのような人材に焦点をあて、取材・インタビューしていくことで、今後の日本および国際社会の方向性、リーダーやロールモデル等の人材のあり方などを考えていきたいと思います。

 また、本企画では、2025年をターゲット・イヤーにします。

 ご存じのように、2025年は、ポスト東京オリンピックの時期であり、また団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年問題(昭和100年問題)の対象年です。さらに現在の10代が成人になっており、社会で活躍し始める時期でもあります。

 それらの意味で、2025年は、非常に重要なターニング・ポイントの年であると考えることができます。そこで、本企画では、その時期に向けてのリーダー像を探っていきたいと思います。

 そこで座談会の手始めとしてまず、皆さん自身の自己紹介とこの企画への思いをお話しいただきたいと思います。

[これまで行ってきたことと企画の関係性について]
徳田 認知症関係の仕事をする会社とNPOをやっています。2009年までNHKで仕事をしていました。メディアの中で、パブリックについて考えてきて、それに関する様々な課題を社会に伝えていました。しかし、課題を分析して伝えるだけでは前に進まない、変えられないということもあると実感しました。

 それで、メディアを辞めて、現在は、認知症の現場に関わることを通じて、自分なりにパブリックをどう変えられるかということにチャレンジしています。この取材を通じて、様々な現場で活躍する方たちのそれぞれのパブリックについてお聞きし、考えていきたいと思っています。

畠山 以前はメディア関係の仕事をしていました。その後は2013年まで在京の米国大使館で広報を担当していました。私自身は日本人ですから、日本人としていろいろな分野から日米関係を考えてきたわけです。その一環で、社会起業家などにも興味を持ちました。今までの経験を活かして、今回の取材をしていきたいと考えています。

服部 社会起業家やNPOというキーワードで、市民のカを見てきました。そして、それを研究し、学生のみなさんをはじめ社会に伝えてきたわけです。

 また、英国に滞在していたころ、当時ブレア―政権でしたが、社会起業家を市民のリーダーと呼んで、政府が後押ししていました。そして、若者を含めそれらの個々の人々が、自分の意見をもっていたのですが、そのことから刺激を受けると共に、日本人である自分たちは社会をどうしたいという個の意見を持っているだろうかと疑問に思ったのです。このようにして、1997年に「社会起業家」という言葉に出会い、それ以降、その問題について問題提起をしてきました。

 そこで、今回の取材では、その延長線上で、個々のリーダーがどのように考え活動しているのか、その背景を探り、そのリーダー像を通して「明日の社会」を探っていきたいと思っています。

鈴木 日本は、行政中心に政策形成が行われ、その情報源はほぼ行政しかありません。そこで私は、行政以外の政策情報源をつくって、多元的に政策が形成されるようにするための試みをしています。その一環として、非営利独立型のシンクタンクや政党系のシンクタンクをつくってきました。他方、有権者や国民の政治意識を高める政治教育に関する活動もしています。要は、政策や政治がらみで、多元的なパブリックの構築をしてきたわけです。

 今回の企画では、政府の限界を感じているので、社会を前に進めていく上で、民間や個人の役割、リーダーの役割に関する再考をするきっかけにしていきたいと考えています。

 それでは、次に皆さんのリーダー観をお聞きしたいと思います。 ・・・続きを読む
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筆者

鈴木崇弘

鈴木崇弘(すずき・たかひろ) 城西国際大学客員教授(政治学)

城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科客員教授。1954年生まれ。東京大学法学部卒。マラヤ大学、イースト・ウエスト・センターやハワイ大学大学院等に留学。東京財団の設立に関わり、同財団研究事業部長、大阪大学特任教授、自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」の設立に関わり、同機関理事・事務局長などを経て現職。中央大学大学院公共政策研究科客員教授。著書に『日本に「民主主義」を起業する――自伝的シンクタンク論』『シチズン・リテラシー』『僕らの社会のつくり方――10代から見る憲法』など。

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