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シリア問題、話し合いによる新体制づくりは可能か?

川嶋淳司 放送大学非常勤講師(中東研究)

 過激派の掃討、シリア内戦の終結、それに次いでイラン核問題、パレスチナ和平、これが米国の中東政策の優先順位である。ウェンディ・シャーマン国務次官が9月半ばに大学の講演で語った。

 その1週間後にはシリアでの空爆が始まる。同国のアサド政権と、反アサド勢力の中から生まれた過激派イスラム国(IS)の両方に対する二正面の戦いに米国は突入した。

ダマスカス南西部サハナーヤ地区で17日、食料を配給するボランティア団体の到着を待つ避難民=2014年9月17日拡大シリアのダマスカス南西部サハナーヤ地区で、食料を配給するボランティア団体の到着を待つ避難民=2014年9月17日
 もともとイラクに侵入したISを撃退するために米国は空爆を始めた。シリア空爆の黒煙が、過激派の掃討とシリア内戦の終結という最優先課題を一つにつなげた。

 この危機を打開する策はあるのか。

 米国は「交渉による政治的な移行」を掲げる。話し合いでアサド体制を変えるということを意味する。米国の支援する反アサド穏健派を交渉の中心に据えて、より広い民意に基づく新しい体制づくりを目指したいとの考えである。

 現状のシリアにおいて、誰かが軍事的に一人勝ちをすることは難しい。段階的で時間のかかる解決にならざるをえない。

 交渉による移行という打開策には先例がある。いわゆる「アラブの春」で2011年に体制が変わった国のうち、この方法で移行を成し遂げた国があるからだ。 ・・・続きを読む
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筆者

川嶋淳司

川嶋淳司(かわしま・じゅんじ) 放送大学非常勤講師(中東研究)

放送大学非常勤講師。1982年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。クウェートに留学後、放送大学大学院文化科学研究科を修了。駐日クウェート国大使館職員、在イエメン日本国大使館専門調査員、駐日イラク共和国大使館職員などを経て現職。共著に『一瞬でわかる日本と世界の領土問題』(日本文芸社、2011年)、分担執筆に『アラブ民衆革命を考える』(国書刊行会、2011年)など。早大社会科学研究科博士課程に在籍。

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