「先進国」たらんとした法曹界
2015年03月16日
1988年、韓国に憲法裁判所ができて以来、刑法第241条「姦通罪」に対して5回の違憲審判請求が行われ、4回までは「合憲」の審判が下されていた。
その度に、メディアはこの件を大きく取り扱っており、20年余りの間に国民的議論は十分に行われてきたといえる。
ただ、前者の主張に対しては、女性団体の中からも疑問の声は出ていた。
まず姦通罪が浮気防止に使えないといわれた理由は、第一にその立件の難しさだった。
文字通り姦通の現場を押さえなければならないわけで、もっとも有効なのは現行犯。つまり警察官を引き連れて、現場に踏み込むという方法だった。
写真や録音なども有効ではあったが、文字通り(じゃないな)、姦通罪は「貫通」していないと罪にはならない。
つまり、一緒に歩いているとか、ご飯食べているだけじゃだめで、まさにホテルに一緒に入る瞬間の写真など、かなり具体的な状況証拠でないと使えなかった。姦通罪で訴えられたある大学教授が「俺はヤッてない。証拠はこれだ」と、愛人を医者に連れて行って、処女膜検査までしたこともあった。
またこの法律は親告罪であり、警察が勝手には逮捕できる種類のものではない。つまり、夫か妻からの告訴があって、初めて罪が成り立つ。しかも「離婚」が条件となるため、別れるつもりはないけど、ちょっと懲らしめてやりたい、というのはダメなのだ。
したがって、経済的に夫に依存している妻にしてみれば、夫を警察につきだしたところで、刑務所に入れられてしまえば、子供の養育費だって貰えない。さらに世間体だって、悪いわけだ。
逆に、妻の浮気は一発レッドカードの可能性もあった。あるいは夫に愛人がいて、妻と慰謝料なしで別れたいとき、「仕掛ける」こともできた。過去にはこういう事例もよくあった
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