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3 日本人の生命と財産を守るために必要な「良い集団的自衛権」

 今の厳しい国際情勢の下では、どの国もそうですが、個別的自衛権だけでは自国の国民や財産を守りきることはできません。やはり部分的にせよ、集団的自衛権を使うことが必要になるのです。

 次の事例を考えてみてください。前回書いたアラビア海ですが、海賊による民間船舶襲撃が相次ぐこの危険な海域には海上自衛隊の護衛艦隊が派遣され、民間船舶を守っています。これまでに660隻もの日本船舶が警護され、無事にこの危険な海域を通過しました。

 それだけではないのです。海上自衛隊の護衛艦は、実に2800隻もの外国船舶を日本船舶とともに警護してきたのです。何故でしょうか?

 船舶はそれぞれの運航計画に従って航海しますから、日本の船舶だけを集めて船団を組むことはできません。途切れることなく通過していくいろいろな国の船舶を、各国の海軍と海上自衛隊が分担して護衛するのです。「集団的自衛」そのものなのに、なぜ日本で問題にならないのか。それは相手が海賊なので、海上自衛隊の行動は無法な襲撃者に対する「警察行動」とみなされるからです。

 ところが襲撃者が残虐な「イスラム国」(ISIL)である場合はどうでしょうか。

 僕は、最近もイラクを訪問し、「イスラム国」との前線から40キロのところに行きましたが、今でもこの強大な暴力組織には、戦闘員が毎月1千名も増え続けているそうです。主権国家が束になってかかっても勝つことができない。「イスラム国」が「国家に準ずる組織」であることは疑いないでしょう。

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筆者

岡本行夫

岡本行夫(おかもと・ゆきお) 外交評論家、MIT(マサチューセッツ工科大学)シニアフェロー

1945年、神奈川県出身。68年一橋大学経済学部卒、外務省入省。91年退官。同年、岡本アソシエイツ設立、代表取締役就任現在に至る。橋本内閣で96年-98年総理大臣補佐官(沖縄担当)、小泉内閣で01年9月より内閣官房参与、03年4月より04年3月まで総理大臣補佐官(イラク問題担当)を歴任。立命館大学客員教授。東北大学特任教授。東北漁業再開支援基金・希望の烽火代表理事。

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