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気をつけよう、「1億総活躍」という甘い言葉

がんばらないと許されない?

三島憲一 大阪大学名誉教授(ドイツ哲学、現代ドイツ政治)

「みんなで活躍しようよ」というお誘い

 それにしてもわかりやすい目くらましを仕掛けてきたものだ。あまりにわかりやすい。明々白々。経済問題でのめくらまし。

 「気をつけよう、甘い言葉と暗い道」。甘い言葉とは「1億総活躍社会」のこと。安保法案をかぎりなく不正に近い手続きで国会通過させたあと、普通の市民が40年払いつづけてやっと貰える基礎年金の1ヶ月分を1日で使うようなゴルフ三昧で「英気」を養ったお方から、「みんなで活躍しようよ」というお誘いがきた。

活躍してますか?活躍してますか?
 「安保法なんか連休が終われば皆忘れるさ」と思ってはいても、とりあえず目先をかわそうという世論対策だろう。

 日本の庶民もバカにされたものだ。日本を愛している割に、国民は世論対策の対象でしかないのだから。愛しているなら、もっと相談して欲しいのだけど。

 「1億総活躍社会」の担当大臣も置いたようだ。その大臣は、それなりに「活躍」するだろうが、「活躍」とはいったいなんだろう。

 今年はヤクルトの山田哲人が「大活躍」した。打率3割以上、本塁打30本以上、盗塁30回以上のトリプルスリーでシーズン優勝に大きく貢献した。これこそ本物の「活躍」。

 それ以外に、シールズの学生たちも安保法制反対で「活躍」したと言っていいかもしれない。

 テレビでは

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