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政治スキャンダルと失言続発、「醜い国・日本」へ

「お上」に諾諾と従う臣民文化の復活か?

小林正弥 千葉大学大学院社会科学研究院教授(政治学)

スキャンダルや失言の続発

 このところ、政権政党に関するスキャンダルや失言が相次いでいる。

 たとえば甘利明経済再生担当大臣やその秘書が建設会社の関係者から斡旋を依頼されて現金を受け取っていたことが『週刊文春』で報道され、甘利大臣は辞任した。

甘利明経済再生相の辞任を伝える街頭テレビ甘利明経済再生大臣の辞任を伝える街頭のテレビ=2016年1月28日
 「絵に描いたようなあっせん利得であり、検察が捜査を躊躇する理由はない」(郷原信郎氏)とされ、以前ならば内閣総辞職に追い込まれるような事件と言われている。

 宮崎謙介衆院議員は、妻の国会議員の出産に際して育休を取ろうとして話題になっていたが、出産直後に不倫をしていたことが『週刊文春』で報道され、議員辞職した。

 自民党の丸山和也参議院議員は参院憲法審査会で「日本が米国の51番目の州になった場合」を仮定して持論を展開し、オバマ大統領の出自について「奴隷」という表現を使って問題となり、発言を撤回した。

 首相補佐官(河井克行衆議院議員)が秘書に暴行を働き、刑事告訴されていたことも発覚した(『週刊文春』3月10日号)。

 それでも内閣支持率は横ばいか、僅か1-2%しか落ちていない(朝日新聞の3月10-11日の調査では38%で2月より1%減、日経新聞の2月26-28日の調査では支持率は47%で増減なし)。これをどのように考えればいいだろうか。

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