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[17]トランプ就任式より女性大行進がニュース

虫の目に徹して起きたことを記す

金平茂紀 TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

=撮影・筆者拡大ワシントンでおこなわれた「女性大行進」=撮影・筆者
1月17日(火) 朝から雨が降っている。テネシー州マーフリーズボロからワシントンDCへの移動。Iさんの風邪が心配だ。テレビ報道のチームの海外出張はデリケートな役割分担から成り立つ。阿吽(あうん)の呼吸が成立している時とそうでない時では結果に雲泥の差が生じる。まあ、そこが面白い所でもあるのだけれども。ナッシュビルからワシントン・ダラス空港へは意外と近い。なぜかワシントンDCに来ると「帰って来た」という思いにとらわれるのだ。たった3年間住んでいただけなのに。DCは思ったよりもずっと暖かい。DC支局で簡単な打ち合わせ。僕らも含めていろいろな番組の取材チームが押し寄せてきて、支局も大変だろうと同情する。

 CNNは、トランプの支持率が40%で歴史的な低さだと報じている。NYタイムズに、駐日大使キャロライン・ケネディ離任の記事。政治家・外交官としてはどうなのかという辛口の評価も載せているあたりがNYタイムズたる所以だろう。沖縄のことについても住民の思いとの乖離にちょろっと触れていた。

 訪日中のオリバー・ストーン監督がTBSのインタビューに応じたらしい。『スノーデン』のキャンペーンの一環とか。福岡のシンポジウムの表題は「御用記者・御用学者・御用文化人」とすることにした。

1月18日(水) 時差調整に失敗して夜中に目が覚める。まいったなあ。福岡のシンポ用に簡単なレジュメをつくってメール送付。午前中、ワシントンDC市内を見て回る。パレードコース以外は普通の日常だ。ヴァージニア在住のS・Gさんと打ち合わせ。なかなか直接顔を合わせて突っ込んだ打ち合わせができないので、こういう機会を大事にしなければならない。昼過ぎと夜7時からの2回にわたっての打ち合わせ。明日以降の取材について簡単な打ち合わせとロケハン。真夜中に東京から1本のメールが入り、一気に仕事をする気が失せた。ケセラセラ。

腐臭は日本にもアメリカにも

1月19日(木) ほとんど眠れず。仕事をする気力がなくなった。なすがまま、なされるがままに流すか。持参したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの厚い本『セカンドハンドの時代――「赤い国」を生きた人びと』を読み出す。

 昼頃、僕らが泊まっているホテルの前で不審物らしきものがあるとかで道路が封鎖され大騒ぎになっている。結局は何もみつからなかった。全くのから騒ぎだが、何だか就任式を前に敢えて大げさにしているみたいで、変な空気だ。

 日本の知人たちと若干のやりとり。MXテレビの屑番組について。沖縄の翁長県政と基地反対運動に対するデマと中傷だらけの屑番組だが、これが地上波で流れたというのだから呆然を通り越して、吐き気を催すような不条理の世界。テレビも堕ちるところまで堕ちていくのか。それを牽引しているのがあれらの一群の人間たちだ。

 ところが、そのような腐臭は日本だけのものではないらしい。 ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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