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「一強多弱」政治を懸念する

教育勅語に疑問の声なし。予定調和や忖度が自民党の力をそぐ

船田元

森友学園が開校を目指した小学校の校舎拡大森友学園が開校を目指した小学校の校舎

国民の多くが納得していない森友問題

 新年度を迎えた4月、各学校では期待と不安を胸に抱きながら、新入生が登校する姿が、いつも通り見かけられた。しかし、学校法人森友学園が経営するはずだった小学校には、子どもたちの姿は見えず、一連の森友問題は迷路に入り込んでしまった。明らかに異常とも言える小学校設置認可手続きの速さや、国有地払い下げの大幅値引きには、国民の多くがいまだに納得していない。

 私は一地方都市で創立以来132年を数える私立学校を経営し、30年ほど前には大学の設置認可申請を経験した。大学と小学校の違いはあるものの、新しい学校を作るというのは、実に大変な作業である。数年間にわたって何十回と当局に足を運び、国有地の払い下げの際には、値引き交渉なんてとんでもなく、提示された評価額で買わざるを得ない状況だった。お陰で担当の職員が数名身体を壊すほどであった。

 問題の本質は、昭恵夫人の100万円の授受の真偽や、籠池泰典・森友学園前理事長との親密さなどではなく、財務局や大阪府が一連の手続きの中で、どの程度「忖度」したのかどうかである。疑いをかけられた当局は確たる情報を開示して、きちんと解明することが求められているのではないか。

教育勅語の暗唱は幼稚園児の「洗脳」である

 もう一つの問題は、塚本幼稚園の教育方法の異常さである。そして、私はこちらのほうがはるかに深刻であると考える。

 同幼稚園では、以前から園児たちに教育勅語を暗誦させ、運動会では「安倍首相、頑張れ」「安保法制国会通過よかったです」などと宣誓させていたという。動画で流れた宣誓の場面に衝撃を受けたのは、私一人ではないはずだ。

 善悪の判断力が乏しく、ましてや政治的判断などできない幼児に対して、一方的な価値観を植え付けることは、明らかに「洗脳」である。同様の指摘が、複数の識者からも寄せられている。

 その教育勅語に関し、ある閣僚からは「教育勅語に流れている核の部分、そこは取り戻すべきだと考えている」と、内容の一部を肯定する発言があった。また、3月31日に決定した、民進党議員の質問に対する政府答弁書では、「(教育勅語を)憲法や教育基本法に反しない形で教材として使用することは否定しない」と述べているが、これらに私はいささか違和感を覚えている。

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筆者

船田元

船田元(ふなだ・はじめ) 自民党衆院議員

1953年、宇都宮市生まれ。79年衆院選に最年少の25歳で初当選。39歳で宮沢喜一内閣の経企庁長官として入閣した後、自民党を離党。新生党、新進党の結党に参加するがその後、離党。無所属をへて97年に自民党に復党する。自民党憲法調査会会長、同党憲法改正推進本部本部長、裁判官弾劾裁判所裁判長などを歴任して現在に至る。栃木1区。当選11回。。