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護岸工事が始まり、クレーンでつり上げられた石材が辺野古の海に投入された=2017年4月25日、沖縄県名護市辺野古拡大護岸工事が始まり、石材が辺野古の海に投入された=2017年4月25日、沖縄県名護市辺野古
4月25日(火) 午前9時すぎ、沖縄の名護市辺野古のキャンプ・シュワブの沿岸で、沖縄防衛局による護岸工事が着手された。海中に大型ブロックや土砂が大量に投下された。もはや後戻りできない「海殺し」が始まったのだ。自分は今この瞬間、こんな場所にいていいのか。局での定例会議の席で虚ろな気持ちに陥りながらその後、激しい後悔に苛まれた。

 あさってのメディア関係者の「共謀罪」反対声明の準備作業。午後、憲法企画でなぜか改憲イシューに急浮上してきた「教育無償化」をめぐっての取材。静岡県三島市近くの貧困や支援の必要な状況にある子どもたちへの学習支援活動を行っている現場を取材。放課後の「居場所」として機能している私塾のような場所だった。子どもたちが結構活き活きしていたのが救いだった。

 携帯電話にニュース速報が入ってくる。今村雅弘復興大臣がまたまた失言で大問題になっているという。東日本大震災の被害に絡んで「まだ東北で、あっちの方だったから良かった」と発言したという。何ということか。学習支援現場からの取材の帰途、「辞任の意向」との速報が入る。各停の新幹線に乗りながら、政権がすばやく厄介払いをした本質を考えていた。「東北で良かった」でクビなら、辺野古はどうなんだ? 政府一丸となって「辺野古が唯一の選択肢」と言い募っているが、これは歴史的に考えれば、新基地建設は「沖縄で良かった」と言っているに等しいではないか。今村復興大臣の辞任=実質的な更迭で、辺野古の護岸工事着工のニュースが霞んだ感がある。もちろん霞ませたのは本土メディアの編集長たちである。

「共謀罪」反対声明を出す

4月26日(水) あしたのメディア関係者の「共謀罪」反対声明の準備に追われる。自分たちでやるしかないのだ。細かな作業こそが大変なのだ。

 森友学園の籠池泰典前理事長夫妻と財務省幹部との交渉やりとりの一部を録音した音源が一部メディアによって報道されている。出所は大体想像がつくのだが、これは決定的な証拠の一部を構成すると思う。それがメディアがこぞって報じる体制になっていない病根はかなり根深い。

 夜、知人の石田直子さんから薦められていた映画『ヒトラーへの285枚の葉書』を試写でみる。ヴァンサン・ペレーズ監督の作品。舞台はナチス政権下のベルリンが舞台だが、英語で撮られている。映画化が難航した末の選択である。とても感動した。監視社会の恐ろしさという面でも現代性がある。あした、取材に行きたかったなあ。ちょうどその時間帯に「共謀罪」関連の記者会見が重なって行けない。僕の母校の都立西高で上映と監督と生徒のディスカッションがあるというのに。どうも最近歯車がうまく回らない。

4月27日(木) お昼、記者会見場の参議院議員会館に行って、 ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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