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東京都議選の行方を探る

小池都政与党が過半数獲得か

児玉克哉 社会貢献推進国際機構理事長、インドSSI大学国際平和創造研究センター所長

公明党の都議選立候補予定者を応援するため、街頭演説で手を振る小池百合子都知事=5月4日、東京都足立区

 東京都議会選挙は6月23日告示、7月2日投開票の日程となっている。いうまでもなく台風の目は小池知事が率いる都民ファーストの会。徐々に候補者の擁立も決まり、都議選の各党・会派の当選人数予想も出るようになっている。

小池知事は高い支持率を維持

 小池百合子知事が昨年7月31日に都知事選で圧勝してからもうすぐ1年になる。この間、都民からの高い支持率をずっと誇っている。朝日新聞が4月1、2日に行った世論調査では、小池知事の支持率は74%あった。産経新聞とFNNが4月15、16日に行った合同世論調査では、支持率は70.4%であった。7割を超える支持率はやはり高い。

 2月まではメディアは豊洲市場移転問題を毎日のように扱っていたが、2月に森友学園問題が勃発し、また3、4月には北朝鮮問題が注目を浴び、豊洲市場問題の報道はかなり落ち着いてきた感がある。豊洲市場の地下空洞問題や地下水汚染問題などが出てからは、小池知事側が攻め、都議会、特に自民党が防戦一方というイメージがあった。この構図もやや変わりつつあり、都議会自民党もやや息を吹き返しつつある。5月1日付の日本経済新聞によると、日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査で、東京都に住む人に7月2日投開票の都議選でどの政党に投票しようと思うか聞いたところ、自民党が32%で、小池百合子知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」が17%で続いている。たたかれっぱなしだった都議会自民党も支持を取り戻しつつあるということだろう。また都議会選挙までは時間があり、都議会自民党はかなり善戦をするかもしれない。

注目される知事と公明党との連携

 とはいえ、小池知事の戦略は抜け目ない。注目されるのは、公明党との連携・選挙協力と、連合との提携だ。小池知事は公明党の候補予定者の応援演説にも立っている。公明党は国政において自民党との連立政権を組んでおり、衆議院の小選挙区や自治体の首長選挙ではがっちりと選挙協力を組むのが普通だ。それが今回は自民党ではなく、都民ファーストの会と連携をもつというのだ。

 今回の東京都議会選挙の選挙区は以下のようになっている。

1人区(7選挙区)[千代田区、中央区、武蔵野市、青梅市、昭島市、小金井市、島部]
2人区(15選挙区)[港区、文京区、台東区、渋谷区、荒川区、立川市、三鷹市、府中市、小平市、日野市、西東京市、西多摩、南多摩、北多摩第二、北多摩第四]
3人区(7選挙区)[墨田区、目黒区、中野区、豊島区、北区、北多摩第一、北多摩第三]
4人区(5選挙区)[新宿区、江東区、品川区、葛飾区、町田市]
5人区(3選挙区)[板橋区、江戸川区、八王子市]
6人区(3選挙区)[杉並区、練馬区、足立区]
8人区(2選挙区)[大田区、世田谷区]

1人区、2人区は都民ファーストの会が圧倒的に有利か

 1人区の多くは都民ファーストの会と自民党の候補者との争いが予想されるが、都民ファーストの会は公明党と連携しており、圧倒的に有利な展開となる。2月5日に投開票の千代田区長選では、

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