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[32]ゴールデンウィークを漂流する

金平茂紀

5月2日(火) 朝早く家を出る。とてもいいお天気で、GW気分が街を覆っている。都心の道路はスカスカだ。いつもこうならいいのに。局で定例会議。なぜ今、このネタなのかについての深い議論が出なくなってから久しい。こういう時は雑務を集中的にやって頭を空っぽにすることだ。

 16時から東京国際フォーラムに向かい、「渋さ知らズ」のリハーサルを取材する。CSの「ニュースの視点」のため。これがとても面白かった。オーケストラの生成過程というか、生まれては壊し、壊しては生み出す。そのプロセス自体が、立ち会っていてとても面白いのだ。みんな必死になって楽譜に鉛筆で変更箇所を書き入れている。その真剣さと言ったら。

 19時半から池袋の東京芸術劇場でダンスカンパニーRosasの創始者アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルらが、スティーブ・ライヒの4曲にあわせて踊る。ミニマル・ミュージックのゆらぎに生身のダンサーの動きが共振していくさまは、禁欲的かつ凄まじい緊張感に満ちていて、とてもスリリングだ。アンヌの踊った『ピアノ・フェイズ』と『ヴァイオリン・フェイズ』に魅了された。アンヌは今56歳。会場でお会いしたMさんの話では、今回の公演を前にとてもナーバスになっていたという。でもこの舞台がみられて本当によかった。

5月3日(水) 午前中、スポーツクラブでがっつり泳ぐ。読売新聞がけさの紙面で、安倍首相の単独インタビューをデカデカと掲載し、ほとんど翼賛紙面になっているという。新憲法2020年施行とか、9条に3項を加えて自衛隊の存在を明記するとか語っているという。語るに墜ちた出来事だ。

 アメリカから悲報1本。まあ仕方がないか。元自衛官の泥憲和さんが亡くなられたという。安保法制の反対運動のなかで、元自衛官の立場からまともな反対の声を上げ続けて、まさに駆け抜けていかれた印象だ。64歳。自分と同じ世代。

 18時半からお茶の水で、沖縄の山城博治さんと久しぶりに会う。沖縄の拘置所から保釈直後に取材に行って会うことができなかったことから、そのリベンジを果たした形。久しぶりに和田春樹さんにもお会いした。20時から新宿。

手当たり次第に演奏会場をハシゴ ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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