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記者会見する前川喜平・前文科事務次官=25日拡大記者会見する前川喜平・前文科事務次官=2017年5月25日

5月30日(火) 局で定例会議。この数年で、形式的な上意下達の寄り合いに成り果てたように思ったので、なぜこの場でもっと意見を出し合わないのか、と意見を述べたが、反応はなかった。

 きのうの元TBS記者・山口某からの準強姦案件に関する検察審査会への申し立ての女性記者会見。何とTBSは放送しなかったという。僕の個人的考えでは、全く理解できない対応だ。ところが事情を聞くと、日テレとテレ東以外、テレビはニュースにしていないという。今日になって日テレ、フジ、テレ朝のワイドショーが報じていたとの話だが。新聞は、毎日、日経、産経がベタ記事。朝日、読売は報じていない。何が起きているのか。

 きのうお会いしたHさんからいただいたUSBに、『WOOD』という音楽番組の映像が入っていて、その#1が忌野清志郎、#2が矢野顕子だった。矢野顕子の最後の曲は大好きな「David」だった。この曲はモスクワに赴任前後に狂ったように聴いていた。甘美な記憶が甦ってきた。

 前川喜平前文科事務次官の単独インタビューの準備。順調に進む。夜、昔からの業界仲間2人と会って旧交を温める。週刊文春VS週刊新潮のバトルの背景や、御用記者らの醜悪な生態などでわいわい。

5月31日(水) 富山へ。機内で前川喜平氏への質問項目を考える。チューリップテレビとの約束の時間まで少しあったので、富山市ガラス美術館に行く。「平山郁夫とシルクロードのガラス展」。この美術館は初めてだが、なかなか立派な美術館だ。隅研吾がデザインしたそうだ。外装はガラスを表象するモダーンなデザイン、内部は木を基調にした優しさを感じさせる建築物で、それがガラス美術館というのも考え抜かれた発想だが、そこに期間限定で展示されていた古代シリアやメソポタミアのガラスの装飾品の魅力的なこと。人や動物の顔をかたどった小さなガラス玉を連ねた首飾りに本当に魅了された。BC3世紀から5世紀のもの。

 その後、チューリップテレビへ行き、報道部のローカルニュースを見せていただき、その後1時間ほどの勉強会。チューリップテレビは、富山市議会の政務活動費不正受給に関する調査報道で、このところ受賞ラッシュ。日本記者クラブ賞、ギャラクシー賞、放送文化基金賞など。あしたはギャラクシー賞の部門別大賞の発表と贈賞式が東京の渋谷で行われる予定だ。「おめでとうございます」のお祝いのあとに「勝って兜の緒を締めよ」で、さらにやったことのない分野にチャレンジをしようと激励。その後、市内で懇親会。楽しい一夜だった。

矜持を失っていない公僕はまだ存在している

6月1日(木) 朝の便で東京に戻る。機内で聴いたボストン・フィルの(ラファエル・クーヴェリック指揮)『モルダウ』に癒される。前川喜平氏のインタビュー準備を進める。ANAの機内誌で必ず読んでいた長友啓典さんの連載エッセー『おいしい手土産』が氏の逝去で終わってしまった。それに代わって伊集院静が『旅行鞄のガラクタ』が載っていた。こういう人をディレッタントと言うんだろうな。

 インタビューの準備をしているうちに、着替えをするのを忘れてしまった。まあ普段着ている明るめの今着ているジャケットでいいか。前川氏は約束通り、14時40分すぎにホテルの車よせに姿を現し、そこで番組スタッフがピックアップして局の撮影場所まで来てもらった。1時間20分に及ぶインタビューに、前川氏は ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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