2017年07月05日
サマルカンドの町を歩くと不思議な気がする。14世紀の古いモスクがそそり立ち伝統的な民族衣装を着た年配の女性が歩くかたわらを、モダンな洋装の若い女性が闊歩する。中世と現代が混在している。半世紀前の日本で洋服と着物が混在していたのに似ている。宗教の影響というよりも、近代化の過程ととらえた方が正しいようだ。
イスラム社会と言えば、身体をすっぽりと布で覆ったアフガニスタンのブルカやスカーフで頭髪を隠したイランのヒジャブなど、女性が身体を隠した姿を連想する。でも、ウズベキスタンは違う。
若い女性は日本や欧米とまったく変わらない洋服姿だ。ノースリーブで腕も脚もあらわにしたピンクや赤の花柄のワンピースを着た女性などごく普通に歩いている。女子学生やOLたちは体にピッタリした白いブラウスに黒のタイトスカートだ。イスラム原理主義者がいたら目を剥いて怒るだろう。
一方で、年配の女性は伝統衣装や、それを現代的にしたような服が一般的だ。民族衣装は赤や黄色など色鮮やかな色彩で矢絣(やがすり)のような模様が入っている。ゆったりとしたワンピースの下にモンペのようなズボンをはく。日本の埴輪に見られる服に似ている。頭にはスカーフをかぶっている。
男性の方は老いも若きも欧米の服装そのままだが、年配の男性は頭にドッピという四角い民族帽子をかぶっている。
アラブのイスラム国家では金曜が休日だが、ウズベキスタンは日曜が休日で金曜は普通の労働日だ。イスラムでは禁じられているお酒も飲むし、
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