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授業を終えた予備校生。手には国家公務員試験用のテキストを抱えていた=18日、ソウル市拡大授業を終えた予備校生が手にしているのは、国家公務員試験用のテキスト=ソウル市

池上彰さんのリポートへの共感と違和感

 10月31日付の朝日新聞に、「生きづらい、悩む韓国の若者」という大見出しを見た。「池上彰が歩く韓国 to平昌」シリーズの5回目、ほぼ全面を使った大きな記事だ。

 「今の韓国は若者にとって生きづらいと言われる。……大学にやっと入った後も、就職試験の勉強に追われるからだ。大変なストレス社会だという」(同記事)

 池上さんは、「公務員試験のために受験予備校に通う大学生」、「受験生たちが缶詰になって勉強する考試院という施設」などを取材し、彼らのすさまじい状況に驚く。たとえば、韓国では公務員試験対策のために大学を休学する学生がいること、彼らが朝7時から夜10時まで、1日15時間も予備校で勉強していることなどだ。

 記事は、韓国の若者の環境を総じて大変ストレスフルであるとし、その背景に「就職率が低下」「大企業と中小企業の格差が激しい」「そのための公務員人気」「合格のための過酷な勉強」等を指摘している。

 まさにその通りだ。だから韓国の若者の中には、日本での就職を望み、そのために日本語を勉強する人もいることを、以前、このWEBRONZAにも書いたことがある。

[9]韓国の日本語ブームは日本で就職するため?

[10]日本大使館は韓国の若者であふれていた

 また、ここで紹介されている「考試院」という施設は、ソウル市内のいたるところにあり、韓国で暮らす者ならもれなく、その存在を知っている。

 リポートの内容はリアルであり、今の韓国社会の若者像を伝えている。ただ、2点ほど違和感を覚えた。 ・・・続きを読む
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筆者

伊東順子

伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業

愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『もう日本を気にしなくなった韓国人』(洋泉社新書y)、『ピビンバの国の女性たち』(講談社文庫)等。

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