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『ザ・シークレットマン』(2月公開)拡大『ザ・シークレットマン』(2月公開)の公式サイトより
1月2日(火) 午後一番でイラク・アルビルの馴染みのホテルをチェックアウト。何だか名残惜しくなっているのだから、おかしなものだ。今日は、今回の取材中で初めて朝から本格的に雨が降っている。陸路、トルコ国境の「ハブル門」をめざす。長い道行きだ。13時頃に国境に到着。やはりここが一番の難関だった。ひたすら待つのみ。車中で、かもがわ出版の原稿の校正作業をして気を紛らわせる。14時57分、ようやく国境を抜けた。トルコ領土内に入る。山岳地帯のシズレーという街に向かう。そこにある、去年できたばかりというホテルへと向かう。

 夕刻、到着。何もない荒野に聳え立つ高級ホテルだ。一体こんな所に誰が泊まるのだろうか。案の定、ガラガラだった。と言うことは料金が安くなっているはずだ。とにかく部屋に入ってベッドに大の字になって横になる。車の移動ばかりで足腰がまいっている。夕刻、ガラガラのホテルのガラガラのレストランで、N氏、S氏と3人で飯を食う。明らかに客の数より従業員の数の方が多いぞ。何だか落ち着かない。建物が金ぴかすぎるので。酒はここでは禁物。地方はイスタンブールとは違うのだ。部屋に戻って、東京から持参した本を読み始める。もっと早く読んでおくべき本だった。勇気をもらう。

はっずかしい!

1月3日(水) 昼過ぎにシズレーのホテルをチェックアウト。シルナック空港へと向かう。ローカル空港だが、国境近くの空港ということもあってか、警備がとても厳しい。所持品検査とボディチェックが、空港入り口と、搭乗前の計2回あるのだ。そこで何と言うか文字通りの「ハプニング」があった。

 僕は、海外の戦地取材では、履き慣れて体に馴染んでいる太めのジーンズを履くことにしている。今の流行りの体の線がぴったり出るようなタイツみたいな細身のジーパンは実際に動きにくくて窮屈で好きではないのだが、いかんせん、今はそういうジーパンしか売っていないのだ。今回はもちろん履き慣れた太目ジーパンを履きとおしたのだが、最初の空港入り口のボディチェックの時に、係官から靴を脱げ、上着を脱げ、ベルトを外せ、と言われた通りに従って、最後に両手をあげろと言われてそうしたら、ジーパンが緩いので、何と係官(3名いてうち女性がひとり)の面前、さらに混雑する大勢の乗客たちの公衆の面前で、ズボンが重力の法則に従って、ずり落ちたのだった。あちゃあ! 当日はBVDの黒いブリーフを下に履いていたが、それが丸出しになった。はっずかしい! こんなことは初めてだ。みると係官たちが ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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