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森友学園の籠池前理事長との接見の様子を語る野党の3議員=26日午前、大阪市都島区の大阪拘置所前拡大森友学園の籠池泰典前理事長との接見の様子を語る野党議員=2018年3月26日、大阪拘置所前

3月20日(火) 岡山市内で泊まったビジネスホテルが繁華街の真ん中にあって、きのうは深夜まで通りの酔客の大声が響いていた。まいったなあ。

 朝8時にホテルを出て卒業式が挙行される岡山理科大学へ。タクシーで入り口まで着いたら、ガードマンに強く制止される。入り口からは続々と卒業生とおぼしき学生さんたちが着物や背広で正装して入っていく。そしてその保護者らも。あれ以来、マスメディアから逃げ回って取材にも応じようとしない加計孝太郎加計学園理事長が今日の卒業式には臨席するというので、ここまでやって来たのだ。取材要領の紙が東京にも転送されてきたので、それならばということでここまで来たのだが、ガードマンに制止されて入り口から一歩も入ることができない。

 しばらくして加計学園の担当者が校門のところまでやって来た。事情を話すと「地元の岡山のマスコミ以外はお断りしていますので」と言われる。がーん。そんなことは取材要領の紙には1行も書かれていない。なぜ取材を受け付けないのか、最後は記者だけでも中に入れさせられないのか、などかれこれ30分以上押し問答が続いた。何ということだ。僕らの仲間のRSK(山陽放送)のクルーは先ほど中に入っていった。怒りと情けなさで呆然とするばかり。その場所での加計学園の担当者は僕と同年齢くらいの男性だった。語調は穏やかに聞こえるが、拒否の意志はとんでもなく強固だった。彼とのあいだの押し問答はFカメラマンが撮っていたが、こんなものは放送できない。

 取材を断念してそのまま岡山空港に移動して、昼の便で東京に戻る。怒りの感情をなかなか抑えられない。それを鎮めるために空港でお土産に好物の「大手まんぢゅう」を買った。そしてやけ食いするように「きびなご定食」を食べた。

 16時50分羽田発の便で、以前から約束してあった金沢の「全国コッカイオンドク!コンテスト」に向かうため小松空港へ。大変ありがたいことに主催者側の方に小松空港まで迎えに来ていただき、そのまま宿舎に荷物を置いて「前夜祭」の会場へ。そこはライブハウスのような場所で、小原美由紀さんをはじめ明日のコンクールの実行委員の人とかさまざまな人たちがたくさん集まっていた。前夜祭というだけあってなごやかなムードに包まれていた。

 その会場の片隅に懐かしい!永滝達治さんがいらしてくださった。お会いするのはもう20年ぶりくらいか。僕が「筑紫哲也NEWS23」のデスク時代に、新井英一さんの『清河への道』が番組のエンディング曲として流れた時からのお付き合いだ。だが、実はその前から、僕がモスクワ特派員時代に読んだ本、大好きだったソ連の偉大な歌手ウラジミール・ヴィソツキーの回想録(妻のフランス人マリナ・ヴラディの手による)に登場する「そういう馬鹿なことをやる日本人」として、1993年1月の私的な日記に記していたその張本人だった人で、こちらは一方的に知っていた(??)人物なのである。再会があまりにも嬉しくて、前夜祭でのお話のあとに、永滝さんの贔屓にしているバーへ行って歓談の時間に浸った。筑紫哲也さんの思い出話などでとても盛り上がった。さすがに今日の朝あったことなんかどーでもよくなった。少し飲み過ぎた。

コッカイオンドクは可笑しかったなあ

3月21日(水) 金沢は朝から雨模様。朝10時すぎから「全国コッカイオンドク!コンテスト」の挙行およびその審査。会場が金沢市内の屈指のショッピング・エリア香林坊アトリオという素晴らしい公共空間だったので、その意味でもこのイベントは画期的だった。実際にあった国会での質疑をテキストとしてそのまま音読してみようというアイディアは、小原さんたちが考え出したものだが、そのプリミティブな演劇的ワークショップのアイディアが実に絶妙な面白みを生むのだ。これこそが言葉のチカラといってもいい。

 僕らは、計5組20人の参加グループの「審査」をお願いされたのだが、もとより順番をつけられる類のものではないし、また僕にその資格もないのだが、それも含めて「ユーモアと批評性だよね」と割り切って優勝チームを選んだ。4人の審査員のあいだで評価が分かれたりして楽しかった。観客(つまりショッピング・センターに訪れた人々)の反応もよかった。地元の新聞社やテレビ局も取材に訪れていた。ただしNHKと北国新聞は来ていなかったけれど。その後、別の場所で観客賞らの選考結果をお聞きしながら、主催者が用意してくれた重箱入りの美味しい昼食お弁当をいただく。みると、実行委員会の皆さんらはコンビニのおにぎりを食べながら次のイベントの準備をしているではないか。申し訳ない気持ちになった。

 そのまま僕は実行委員会の継続イベント「ピースウォーク」に傘を差しながら加わった。そうなのだ。昨日と今日はイラク戦争勃発から15周年の日なのだ。バグダッドに巡航ミサイルが撃ち込まれて炎が燃え上がった瞬間を、あの日僕はワシントンDC支局で固唾をのんでみていた。ピースウォークのコースの一部になっていた堅町商店街は、雨天ということもあるのだろうが、人通りは多くなく、多くの地方都市が抱えている共通の問題に悩んでいるようにみえた。それにしても、コッカイオンドクは可笑しかったなあ。楽しくなきゃ。

怒りがみなぎる森友文書改ざん抗議集会

3月22日(木) 朝始発の北陸新幹線で東京に戻る。前川喜平前文科省事務次官が名古屋市内の中学校で行った公開授業に、自民党文科部会の議員らが「問い合わせ」という形で介入してきた出来事を今週の番組で扱うというので、前川さんと連絡をとり、 ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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