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中村時広・愛媛県知事拡大「『首相案件』文書」をめぐって、「県の職員を全面的に信頼している」と語った中村時広・愛媛県知事

4月10日(火) 朝日新聞が1面トップでまたまたやってくれた。加計学園の獣医学部新設をめぐって、愛媛県と今治市の関係者らが上京して首相官邸を訪れた際に、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面談し、その際の発言として「本件は『首相案件』」との記載がある文書がみつかったというものだ。愛媛県職員の作成した文書だという。これが関係各所に配布されていたのだ。財務省の森友決裁文書改ざんに続く、いわば特大スクープ「第2弾」だが、その破壊力は相当なものだと思わざるを得ない。

 局での定例会議は欠席。あしたの沖縄行きの準備をしていたら、局から電話が入り、前半の特集が差し替わり、加計学園の「首相案件」文書に変わるという。あした朝、愛媛県に行って欲しいとの連絡。沖縄の航空便やホテルをあわててキャンセルし、取材相手に電話を入れて謝る。名護には行きたかった。若者たちとの交流が予定されていたので。

 午後3時45分から新宿御苑近くで、映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』のリューベン・オストルンド監督にインタビュー。会ってみると、オープンで飾らない44歳のスウェーデン人男性だった。日本に来たのは2回目だという。せっかく40分も時間を確保していただいたので何とか映画のテーマをめぐって会話ができたと思うが、英語でのインタビューはいつも冷や汗ものである。

 Kデスクからの電話では、柳瀬氏は「記憶の限り」面談や発言の事実はないと否定しているという。2人のディレクターが愛媛の松山にすでに飛び、夕方の中村時広愛媛県知事の記者会見に何とか間に合いそうだという。午後5時からの記者会見が各テレビ局で生中継されている。それをみていたら、文書は県職員が作成したもので、職員が文章をいじる必然性は全くないと明言しているではないか。これは面白い展開になったものだ。県知事か柳瀬元秘書官かのどちらかがウソをついているということになるからだ。

 そんな折も折、臨教審時代の旧文部省記者クラブの記者たちのOB、OG会。懐かしい顔ぶれが集まった。あの頃、文部省の事務次官は高石邦男氏で、リクルート未公開株を取得していたことがバレて(いわゆるリクルート事件)身を引いた。その時に官房長か局長クラスに例の加戸守行氏がいた。めぐりめぐってその加戸氏がのちに愛媛県知事になり、加計学園の獣医学部新設に邁進する立場になろうとは。当時の同僚の記者たちもそれなりに年齢を重ね、当時のことを懐かしんだ。遠く石垣島から元毎日新聞のHさんも駆けつけてくださった。同窓会が楽しくなった、ということは自分も齢をとったということだ。

岡山理科大学獣医学部のキャンパスへ

4月11日(水) 朝7時25分発の一便で松山へ。8時55分に松山空港でクルーとドッキング。今治の岡山理科大学獣医学部キャンパスに向かう車中で、今日も中村県知事の記者会見があるという情報を知らされ、松山の県庁へあわてて戻る。記者会見は、県庁記者クラブのルールということで、会見には加盟社以外は参加できるが、オブザーバーとして質問は控えて欲しいとのこと。僕らと東京新聞が会見にオブザーバーとして居合わせた。質疑を聴いていたが、何とおとなしいことか。記者たちがだ。知事は「備忘録」という言葉をよく使っていた。

 獣医学部の定員140人のうち地元四国枠は最大20名程度用意されていたが、入学したのは4名にとどまっていたとのこと。Kディレクターらとの打ち合わせで、知事が県庁外に出かける時にぶら下がりのインタビューをやろうということになる。会見後、地元のJNN系列局の「あいテレビ」にお邪魔して、旧知のTさんらから非常に丁寧、有益かつ独自性のあるレクチュアをしていただく。感謝、感激。

 県庁に戻って知事へのぶらさがりインタビューを撮って、そのまま今治市の獣医学部のキャンパスへと向かう。校舎の建物は立派だが、周辺にはイノシシが出没する郊外にある。加計学園という大きな4文字看板が校舎にドカンと貼り付けられている。まだ開校してから10日あまりしかたっていない。 ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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