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鹿野川ダム(奥)ら肱川へ濁った水が流れていた=2018年7月9日午前9時54分、愛媛県大洲市肱川町、朝日新聞社ヘリから201807月9日拡大愛媛県の鹿野川ダム(奥)から肱川へ濁った水が流れていた=2018年7月9日、朝日新聞社ヘリから

7月24日(火) 午前中「報道特集」の定例会議。今回の西日本豪雨で、愛媛県の水害とダム放流の関係についての取材をすることになる。朝一番で入れば午前中から愛媛で取材ができる。スケジュールをM、A両ディレクターで組んでくれている。早稲田の教え子のH君の実家が愛媛県の西予(せいよ)市野村町で、今回もろにダム放流後の水害に直撃された町だ。H君に協力してもらうことに。本当にありがたい。H君はあした早稲田で修論の合評会がある。僕も出る予定だったがやむを得ずキャンセル。26日の日本学術会議の取材もキャンセルしなければ。

 終戦企画の関連で保阪正康さんに連絡。電話に出られた保阪さんは、何と僕の故郷の旭川にいらして移動中だった。

 自民党の杉田水脈衆議院議員が月刊誌に記した記事がもとで騒動になっている。LGBTカップルを念頭に「生産性がない」のに税金で手厚く保護されているという趣旨の主張らしいが、僕は読む気もしないので、まあ、やらかしてくれたなあ、と。杉田議員の場合は確信犯なのだ。杉田議員は、伊藤詩織さんのレイプ被害事件のことを扱ったBBC放映ドキュメンタリー番組にも出ていて、「(伊藤さんに)女としての落ち度があった」などと暴言を吐いていた人物だ。国会議員は「選良」だなどと言われていた時代はとっくに終わっている。

ダム管理の責任者の対応は…

7月25日(水) 朝一番の便で松山空港へ。遅れそうになり羽田空港内を走った。M、A両ディレクター、カメラクルーと合流。空港からまずは、あいテレビに直行。基礎的な注意事項をご教示いただく。たとえば、西予市はもともと6つの町村が合併してできた市だとか、氾濫した肱川のアクセントは、ヒ<ジ>カワだとか。

 大洲市へ。カンカン照り。取材中は昼食もとれないので、コンビニで飲料とおにぎりを買って向かう。大洲市のダム放流にともなう浸水被害については、大洲市八多喜町で区長をされているOさんから「報道特集」あてに詳細な情報提供を郵便でいただいていた。さっそくOさんとコンタクト。お話をうかがった後、一緒に現場へと向かう。甚大な被害を被った鉄工所や民家、大型スーパーマーケットなどを取材して回る。本当にあっという間に途轍もない量の水が来たという。ダムの放流後にだ。

 スーパーマーケットでは従業員が酷暑のもと総出で泥まみれになったケースや小物類を必死に水で洗い流していた。1階の最新鋭のレジなどは全滅だという。自宅の2階まで浸水したお宅を訪ねる。2匹の飼い猫がいたが、1匹は溺死。もう1匹は2階のエアコンの上に駆け上り命を食い止めていたという。何しろダムの緊急放流の場合、東京ドーム数杯分の水が一気に押し寄せるのだから、大変な事態になる。だがダムの操作管理者たちは、決められた手順に従ってマニュアル通り操作したので問題はないというのが基本的な立場だ。現地のダム管理責任者がM、A両ディレクターとの交渉の末、カメラの前で見解を述べるところまでOKとなったが、 ・・・続きを読む
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筆者

金平茂紀

金平茂紀(かねひら・しげのり) TBS報道局記者、キャスター、ディレクター

TBS報道局記者・キャスター・ディレクター。1953年、北海道生まれ。東京大学文学部卒。1977年、TBSに入社、報道局社会部記者を経て、モスクワ支局長、「筑紫哲也NEWS23」担当デスク、ワシントン支局長、報道局長、アメリカ総局長、コロンビア大学客員研究員などを経て、2010年より「報道特集」キャスター。2004年、ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に『沖縄ワジワジー通信』(七つ森書館)、『ロシアより愛を込めて――モスクワ特派員滞在日誌 1991-1994』(筑摩書房)、『二十三時的――NEWS23 diary 2000-2002』(スイッチ・パブリッシング)など。共著に『テレビはなぜおかしくなったのか<原発・慰安婦・生活保護・尖閣問題〉報道をめぐって>』(高文研)、『内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ』(角川書店)など多数。

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